加齢と共に膝が痛くなったり肩が上がらなくなるなど、関節にまつわる生理的な老化を感じている人は多いと思われます。関節は骨と骨の連結部で、なかでも軟骨は最も重要な組織です。表面は平滑で弾力性があり関節が滑らかに動く役割を果たしています。 軟骨には「軟骨基質」と「軟骨細胞」があり、軟骨基質は「コラーゲン」と「プロテオグリカン」と呼ばれる糖タンパク質から出来ています。コラーゲンは線維状のタンパク質で軟骨の骨格を形成しています。プロテオグリカンは1本のタンパク質に100個以上の単糖が長く結合しグリコサミノグリカン(ムコ多糖)と呼ばれています。このプロテオグリカンは陰性に荷電していて、きわめて保水能力が高いため軟骨には大量の水分が含まれています。 軟骨細胞には成長するとそれ以上分裂せず、非常にゆっくりとした速度で軟骨基質を補充し、一生を通じて軟骨を維持します。しかし、加齢と共に軟骨基質には生化学的変化