ストレスによる遺伝子発現変化が「DNA配列に依存しない遺伝子」つまりエピジェネティクに遺伝するかどうかは、病気や進化にも関連し遺伝学の重要なテーマとなっています。 ストレスにより制御されるエピジェネティクな遺伝現象としてよく知られる例としては、温度や日照時間によるトウモロコシ色素の変化が次世代に遺伝する。母親ラットが子育てを放棄すると子供が成長後に行動異常を示し、それが次世代に遺伝する可能性、ヒトでは胎児期や乳児期の栄養環境ストレスが大人になってからの生活習慣病の発症頻度に影響し、それが遺伝する可能性が示されていますが、メカニズムが不明なため多くの研究者に完全に受け入れられているわけではありません。 今回、独立行政法人理化学研究所の研究グループは、ストレスによる遺伝子発現変化がDNA配列の変化を伴わず(エピジェネティク)に親から子供に遺伝するメカニズムを発見しました(2011年6月24日リ