多動症は通常7歳前後に現れる発達障害の一形態です。多動症を有する子供の脳内では前頭葉や線条体と呼ばれる部位での脳内伝達物質ドーパミンの機能障害が想定され、遺伝的要因にも関連していると考えられています。 この度、群馬大学(下川哲昭准教授)と独ゲーテ大学の共同研究チームはマウスを用いた実験で多動症は脳内の「CIN85」というタンパク質の不足が原因とする研究結果を発表しました(6月18日) 同研究チームは脳内のタンパク質「CIN85」に注目。正常なマウスでは体を動かす情報を伝えるため神経伝達物質ドーパミンが神経細胞間で分泌され、神経細胞の膜表面にある受容糖鎖が、そのドーパミンをキャッチすると情報が細胞内部に伝わり、体が動き始めます。そして、受容糖鎖が情報伝達後は「CIN85」の働きによって細胞内の取り込まれ分解されます。 しかし、「CIN85」を欠損したマウスでは、受容糖鎖はドーパミン情報を細胞