切り傷を負うと、知識不足のため30年位前までは傷口に軟膏を直接ぬっていました。現在では傷口を消毒してガーゼを当てたりします。しかし、ガーゼを当てると傷口が乾燥し、自然に元に戻ろうとする皮膚の治癒力を低下させるだけでなく、むしろ治癒を妨害し傷の治りを遅らせます。 切り傷が生じるとジクジクに含まれる成分(PDGFやTGFなど)が周辺の健常な皮膚に働きかける事で表皮細胞がきて、傷ついた皮膚が修復されます。そもそも細胞はカラカラに乾いた場所は苦手で、その様な環境下にさらされると死滅します。傷口を乾かすと表皮細胞が傷口に移動してくるのを妨害しますので、傷の断面部分の細胞は乾いて死に傷口はなかなか治りません。 従って、傷口に消毒液を吹きかけ、ガーゼを当てて乾かすという行為は傷口に残っている細胞の残骸や異物を除去しないで、病原菌などの侵入を防ぎつつ傷を治癒する血小板や免疫細胞を毒殺しているのに等しい事に