特に、胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染している場合、高血糖の人の発症率は、正常な人の4倍だった。研究班は「血糖値を抑えれば、胃がんのリスクを軽減できそうだ」としている。 追跡調査は、生活習慣病予防に詳しい同大医学部の清原裕教授(58)らの研究班が、福岡県久山町で毎年健診を実施している40歳以上の男女約2600人を対象に1988年から14年間にわたって実施。調査期間中に97人が胃がんを発症した。 研究班は対象者全員について、血中のヘモグロビンが糖と結びついて変化した「ヘモグロビンA1c」の割合を比較。正常値(5・0〜5・9%)の人に比べ、6・0〜6・9%の人の胃がん発症率は2・13倍、7%以上の人は2・69倍だった。 さらに、血糖値とピロリ菌感染の有無によって、四つのグループに分けて胃がん発症率を分析。「正常値で非感染」の人は578人おり、うち発症者は11人で最も