植物の細胞を取り囲む細胞壁中には、動物には存在しない特殊な糖鎖構造を持つ糖タンパク質が多数存在することが1960年代より知られていました。これらの糖タンパク質には、細胞壁形成時の足場や補強剤としての役割を果たすものや、細胞間で情報を伝えるホルモンとして機能するものなど、植物の成長に極めて重要な分子群が含まれます。これまでにこれらの糖タンパク質にはアラビノースという糖が鎖状に連なって付加していること、および、糖鎖が付加することによってはじめてタンパク質のかたちが正しく維持されることが明らかにされていましたが、アラビノースをタンパク質に付加させるのに必要な酵素は未だ見つかっていませんでした。 今回、基礎生物学研究所(細胞間シグナル研究部門)の松林嘉克教授と大西真理研究員らは、シロイヌナズナの細胞に微量含まれるこの酵素を精製・同定することに世界で初めて成功しました。シロイヌナズナにはこの酵素をコ
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