印刷 関連トピックス原子力発電所 放射性廃棄物などの海洋投棄を禁じる「ロンドン条約」の策定が進んでいた1972年、米国政府が廃炉後の原子炉を海洋投棄するための例外規定を条約に盛り込むことを目指し、日本政府に極秘に協力要請していたことが、外務省の外交記録文書(公電)で明らかになった。日本は態度を鮮明にしなかったが、米国は海洋投棄の狙いを隠して国際交渉を進め、例外規定を盛り込むことに成功した。 当時、米国では初期の試験用原子炉の解体が始まっていたが、その後に想定される大型の商業用原子炉の処分方法は決まっていなかった。廃炉の処理法を確立せずに原発建設を進め、海洋投棄を検討せざるを得なかった事情がうかがえる。 朝日新聞の請求で公開された極秘指定の外交記録文書によると、米国の条約交渉代表団のサーモン国務省環境部次長(当時)が72年11月に日本側担当者と会談し、「米国には初期の原子炉で寿命のきた