おもしろければ、それでいい、という姿勢で読んでいる。これを教養書や歴史書として読む奴の気が知れん(→いわゆる団塊社長)。お題にもあるとおり、これは「物語」として読むのが正解。 例えば、「たら」「れば」の乱発、見てきたような断定口調、その一方で「…と思う」で終わる文章、妄想爛漫、カエサル萌え… 好き放題に書いてる ── それでも威を借るために歴史書からも引用頻々… 史家をチクりチクりと批判しながら。 つまり、往年の名著「男たちへ」で培ったシニカルな目線は、ローマという増幅装置を使って現代へ放射しているんだな ── それが団塊世代には心地よいらしい。ダンナや息子が激しく気の毒に思えるが、日本最高齢の腐女子として、がんばってくださいと、つい応援したくなる。 したがって、楽しめる読み方は、ツッコミを入れながら、塩婆がバッサリ斬った史実や書籍を拾いながらが良い。 「塩婆が言ってることはホントーか?」
史学雑誌「回顧と展望」に、おっ、と思うところがあったので採り上げてみる。歴史学の研究抜きに歴史を語る例のささやかな事例のひとつかもしれない。これをどうこう批判するよりも、歴史学はどうあるべきか、立ち止まって考えてしまう今日このごろ。自分たちこそ正統だ!では済まされない何かがあるような。 塩野七生『ローマ人の物語』(新潮社)について一言しておきたい。多くの研究者のこの本に対する態度は、「あれは小説だからエンターテインメントとして読まれるぶんには結構」というものだろうが、書店や図書館ではこの本は歴史の棚に碗べられ、学生や市民講座の受講者から聞いたところでも、歴史書として読まれているようである。評者は既刊の全巻を通読してみたが、誤りや根拠のない断定が目に付き、ときには「聞き捨てならない」発言もある。この本のもつ影響力の大きさを考えれば、「あれは小説だから」で済ませてしまうのではなく、一度きちんと
-目次- 学会からのお知らせ * 論文募集 *秋期連続講演会 表紙説明 地中海の水辺 3 ナイル川の港市・ブーラーク/山田幸正 春期連続講演会「地中海世界の歴史:中世から現代へ」講演要旨 ノルマンと地中海世界 高山 博 研究会要旨 15,16世紀フィレンツェの劇場建築の成立過程 ──スペッターコロのための空間の固定化と専用化── 赤松加寿江 地中海学会大会 記念講演要旨 古代エジプトの建築 ──大ピラミッドの大きさ── 堀内 清治 地中海学会大会 研究発表要旨 建築物階数の数え方 ──聖書における《ノアの箱舟》をもとに── 杉浦 均 地中海学会大会 研究発表要旨 L.ノットリーニによるルッカの古代ローマ円形闘技場遺構再開発計画 黒田 泰介 意見と消息 図書ニュース 学会からのお知らせ * 論文募集 『地中海学研究』XXV(2002)の論文およ
-目次- 学会からのお知らせ *第28回地中海学会大会 *春期連続講演会 *会費納入のお願い 秋期連続講演会「宮廷をめぐる芸 術」講演要旨 フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロの宮廷と建築 石川 清 ローマ時代の公共浴場の向き 渡邊 道治 ディスクリプションのすすめ 秋山 聰 イタリア・ドナーティの自死と〈名誉〉の規範 ──〈名誉〉と近代の相関と相克── 菊川 麻里 パラッツォ・ピッティ ──ヴェールを剥がされた王宮── 和田 咲子 表紙説明 旅路 地中海2:カスバ街道/山田幸正 目次へ 学会からのお知らせ *第28回地中海学会大会 第28回地中海学会大会を6月26日・27日(土・日)の二日間,北海学園大学(札幌市豊平区旭町4-1-40)において開催します。詳細は別紙大会 案内をご参照下さい。 6月26日(土) 13:00〜13:10 開会宣言・挨
*第30回地中海学会大会 第30回地中海学会大会を2006年6月24日,25日(土,日)の二日間,東京芸術大学(東京都台東区上野公園12-8)において開催します。 大会研究発表募集 本大会の研究発表を募集します。発表を希望する方は2006年2月10日(金)までに発表概要(1,000字程度)を添えて事務局へお申し込みください。発表時間は質疑応答を含めて一人30分の予定です。 *会費納入のお願い 今年度会費を未納の方には本号に振込用紙を同封してお送りします。至急お振込みくださいますよう お願いします。ご不明のある方はお手数ですが,事務局までご連絡ください。振込時の控えをもって領収証に代えさせていただいております。 会 費:正会員 1万3千円/学生会員 6千円 振込先:郵便振替 00160-0-77515 みずほ銀行九段支店 普通 957742 三井
ウィトルウィウス Marcus Vitruvius Pollio の「建築十書」De Architectura は、古代ローマ時代に書かれた最古の建築書として知られていますが、実際に広く読まれるようになったのはずっと後になってから、15世紀以降でした。実はウィトルウィウスによって書かれてから、約1400年近く歴史の闇にあったのです。 著者のウィトルウィウスはシーザー(カエサル)に仕えた建築技師です。残されたわずかな記録によると、彼は紀元前46年、シーザーのアフリカ遠征に従軍したことが分かっています。クレオパトラやアウグストゥスの時代の人でした。 「建築十書」の内容は、建設技術から建築論まで含む幅広いものです。前書きには、この本をアウグストゥスに捧げると書かれています。しかし、その後この本は忘れられた存在になりました。 再び歴史の舞台に現われるのは、イタリアがルネッサンスを向かえた時です。古
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