富士通が、優秀な理系人材を獲得するため、大学院の博士課程に進む学生を正社員として処遇する取り組みを本格展開することが24日、分かった。既に九州大と東京大から計2人を採用。他の大学にも広げ、年間1~2人を雇用する。社員が学ぶ大学との連携も深め、人工知能(AI)や量子技術といった先端分野の研究力強化につなげる。 日本では、博士課程での経済的な負担の重さや、修了後のキャリア形成への不安から、2003年度をピークに入学者は減少傾向にある。日本企業で、安心して研究に集中できる環境を提供する動きが広がれば、日本の科学技術力低下を招く「博士離れ」に歯止めがかかる可能性がある。