経済同友会の長谷川閑史代表幹事(武田薬品工業社長)は4日の会見で、日付欄を空白にした辞表を全理事に提出させたNHKの籾井勝人会長について、「コーポレートガバナンス(企業統治)の問題として適切ではない」と批判した。 長谷川氏は理由について「それぞれの立場で経営を監視する取締役(役員)の発言の自由を制限することになる」と説明した。「一般社会ではよくある」との籾井氏の釈明についても、「武田薬品では一切やっていない」と反論した。 籾井氏の言動をめぐっては日本商工会議所の三村明夫会頭も3日、「就任直後に辞表を出せと言った例は、自分の知る限り通常の会社では聞いたことがない」と断言した。新日本製鉄(現新日鉄住金)社長や中央教育審議会会長などを歴任した経験を踏まえ、NHKについて「異常な状況」との見方を示していた。