「輸入品のシェア買い」が台湾の富裕層で広まっている。「キー・オピニオン・リーダー(KOL)」と呼ばれる消費者グループの代表が、自分の目利きと交渉力を武器に商材を見つけ、購入者を募り販売するシステムだ。世界が深刻なパンデミックに見舞われても高い経済成長を続けてきた台湾。富裕層は消費にも依然積極的だ。(共同通信特約ジャーナリスト=寺町幸枝) ▽「三方よし」のビジネスモデル KOLはもともと医療品メーカーが販売促進を行う際の用語で、医療業界に影響力を持つ医師を指していた。それが専門性を持った消費者グループの代表を指す一般的なマーケティング用語になった。消費者の購買行動に影響を与えるインフルエンサーは、これはという商品を人々に知らせるだけだが、KOLは購入・販売まで行う。当然、グループメンバーからの信頼が鍵になる。消費者グループの代表として絶対的信頼を勝ち得るために、商材を自ら発掘したり、企業から