時間とは、この宇宙の基本的な要素ではなく、もしかしたら「量子もつれ」から生まれるただの幻想なのかもしれない。 時間は物理学者にとって厄介な問題だ。ミクロとマクロの世界においてそれぞれ最高の理論、すなわち「量子力学」と「一般相対性理論」との間で一貫性のない振る舞いをするからだ。 この矛盾のために、この世界のあらゆる物理を記述する「万物の理論」の完成が阻まれている。 だがイタリア国立研究評議会の物理学者アレッサンドロ・コッポ氏らは、時間は量子もつれの結果であると仮定することで、数学的にはミクロとマクロの両世界を矛盾なく記せることを発見したという。