ロイター通信 写真部 加藤一生 「ついにこの日がやってきたか」──。日本に支局を置く海外メディアの代表撮影を担当するスチール・カメラマンとして、福島第1原発に入ることが決まった時の、私の率直な感想だ。 チェルノブイリ以来最悪の原発事故を引き起こした東日本大震災の発生からもうすぐ1年。福島第1原発を取材する機会が2月20日に訪れた。取材陣に福島原発を公開するのは12月の冷温停止宣言から初めて。今回はバスの内側からの取材だけではなく、バスから降りた敷地内で、原子炉建屋を見渡せる位置から約15分間、撮影することが許された。 3月11日の巨大地震と津波に襲われた福島第1原発で発生した爆発。その爆発の瞬間の写真や映像を見ると、いまだに私は恐怖感を覚える。あれは水蒸気爆発だと政府や東京電力は当時説明していたが、私があの瞬間の映像から受けた印象は、原子炉自体の爆発の様にしか見えなかったからだ。 「この