ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (16)

  • 経済政策で人は死ぬか?の経済学

    政府や中央銀行が政策を誤ると不況からなかなか脱出できない、ということは経済学を知らなくても常識でわかる範囲ではないだろうか。他方で職を失うことによって精神的なストレスを抱き、あるいは経済的な不安から自死に至ることもまた常識的な発想の枠内だったろう。だが、このふたつの「常識」を結びつけて、さらに学術的な視点で検討がなされてきたことは、実は最近までほとんどなかった。 経済政策が失敗することで不況が継続し、それが自殺者の増加など国民の「死」を直接もたらしてしまう。この“最新の”経済学の考察を紹介していこう。 ところで日の自殺者数の推移をみておこう。最新の数字でも2015年10月末で二万人を超えてるが、それでも今年度は九〇年代前半の水準に戻る可能性が濃厚である。つまり長期停滞以前の水準に回帰するはずだ。97年は日の金融危機と消費増税があった年だが、それ以降急増していき、2011年まで11年連続

    経済政策で人は死ぬか?の経済学
    Utasinai
    Utasinai 2020/03/31
  • 曽野綾子的なる旧来型保守の「貧困」観をめぐる対談(古谷経衡&田中秀臣)

    曽野綾子氏の発言をめぐってここ数日議論が盛んである。 産経新聞、曽野綾子のコラムがすごい。移民受け入れを進めろと言いながら居住区は人種で分けた方がいいと。 - Togetterまとめ” http://htn.to/v6AqGHpFc “曽野綾子さんの産経新聞コラムがゲスすぎて大炎上 - NAVER まとめ” http://htn.to/L8EpLo “産経新聞、曽野綾子のコラムがすごい。移民受け入れを進めろと言いながら居住区は人種で分けた方がいいと。 - Togetterまとめ” http://htn.to/v6AqGHpFc 古谷さんの著作『若者は当に保守化しているのか』(アスペクト)を記念して行った特典対話が、まさに曽野綾子氏の著作『貧困の光景』や曽野綾子的な貧困観について議論しています。 特典なので書籍購入者が中心ですが、よく考えていただければパスワード二文字さえふつうに推理すれば

    曽野綾子的なる旧来型保守の「貧困」観をめぐる対談(古谷経衡&田中秀臣)
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    Utasinai 2015/02/13
  • 古市憲寿とネットの愉快な仲間たち:日本とイギリスの若年失業問題

    エントリーに特別な意味はないです。なんとなくつけただけ。 僕にとっての古市憲寿という人物は以下のTogetterで要約されてます。 http://togetter.com/li/326427 感想はただ一言、考えが浅いな、という印象論。それ以上のことは上のやりとりからは言えない感じ。 で、今朝、知人たちが話題にしていた、NHKの「ニッポンのジレンマ」での古市氏への批判大会を読んでてちょっと面白いやりとりだったなと思った。主な登場人物は、常見陽平さんとMay Romaさん、古市氏。 http://togetter.com/li/365766 具体的な内容をみておこう。May Romaさんの指摘 @poe1985 古市さん、大陸欧州やイギリスの若い人の就職についてテレビなどで語っておられますが、実態との乖離がありますので現場を見てから語って頂きたいです。日の若い人が勘違いします。多くの若い人

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    Utasinai 2012/09/04
  • 岩田正美「生活保護を縮小すれば、本当にそれで済むのか?」in『現代思想 特集 生活保護のリアル』

    『現代思想』が総力をあげて取り組んだ印象の強い生活保護問題についての特集を飾る力作論説である。政治的な扇動で始まった今回の生活保護制度パッシングへの詳細な反論が展開されている。 その主張はかなり鮮明である。 現在の生活保護パッシングの背景には、若くて働くことが可能な「稼動可能層」が生活保護を急速に受給するようになった。働くことが可能な人たちが安易に生活保護に依存するのは「恥」というモラルが衰退した証拠であり、それに連動して扶養可能な親族がいるのに「不正」に受給する人たち、外国人、暴力団などへの支給が大挙してみられるという「通念」である。 この「通念」の多くがデータで間違いであることは今日の別のエントリーで書いたのでそれを参照すべきだが、岩田氏の論説は、そもそもいまの生活保護制度が、日貧困の事実上「オールマイティ」の引き受け手になってしまっていることに、今後の日の社会保障の危機が存在し

    岩田正美「生活保護を縮小すれば、本当にそれで済むのか?」in『現代思想 特集 生活保護のリアル』
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    Utasinai 2012/09/04
  • 意識をめぐる論点メモ

    9月8日の現代思想×保守×リフレのトークイベント用の備忘録。去年のクリスマスイブにやった稲葉振一郎さん、山形浩生さんと僕との公開討論会での稲葉さんの発言を(ご人の了解はないがw…稲葉さんに差し支えがあったら無念だけどこのエントリーは削除するですw)以下に特に注目すべき個所である「意識」をめぐるところをまず引用。 稲葉:いまのSFの中で一番人気があるテーマは「意識」なんです。意識論の土台にあるのはデイヴィッド・チャーマーズのゾンビ論とか意識のハードプロブレム論です。チャーマーズという哲学者もドーキンス・チルドレンであって、意識という別の実在問題があるということを言っていて、それで何がしたいかというと、デネットの心の哲学の批判をしたいわけです。デネットの心の哲学はドーキンスに影響を受けていて、意識というのは情報プロセスであって、情報プロセスというのは物理プロセスで生命現象と連続線上にあるとい

    意識をめぐる論点メモ
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    Utasinai 2012/08/20
  • 高橋洋一『大阪維新の真相』

    現在、橋下徹大阪市長の間近で彼を見ているという高橋洋一さんの最新刊。『正論』の総理大臣に望ましい人物として高橋さんは橋下氏を推薦していることからもわかるように、橋下氏の「改革」に期待し、事実上のブレーンによるわかりやすい「大阪維新」の解説になっている。僕もいままでさんざん、メディアやネットでの断片的もしくは好き嫌いの次元レベルの発言を見聞してきただけに、書はいまのところまとめて読むに値するただひとつの大阪維新・橋下といっていいだろう。例外としては、大阪公務員組合との確執とその問題点を描いた『POSSE』の熊沢誠論説だけである。 内容をいくつか箇条書きしてみる。 1 大阪都構想は単なる都市改革ではなく「道州制」につながる。道州制(基礎自治体ー道州―国)が効率的にマネジメントできる単位。基礎自治体がほとんどの仕事を行い、そのあまりを道州、さらにあまりを国がやるという形で「小さな政府」構想

    高橋洋一『大阪維新の真相』
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    Utasinai 2012/08/10
  • 日本を破滅させたい人たち

    AJERでの倉山満さん司会、上念司さんと僕との鼎談が動画アップされています。 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17698162 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17698266 テーマはずばり「変態御用一般人」ですが、それはこちらをご覧いただけると誰を指すのかわかると思います。 鼎談の主要テーマは、日気で滅ぼしたい人たちとは誰のことか、その具体的な経済メカニズムはなんなのかを政治経済的なアプローチ全開で語りました。 そもそも財政政策も金融政策も、日が持つ固有の政策手段です。景気が悪くなればこれらを広義の政府(通常の政府+日銀行)が行なう自由を有するのです。そして財政政策と金融政策がそれぞれ景気の安定化に貢献すること、これを経済政策の「自律性」と表現しています。 この経済政策の自律性は、いまも書きましたが政府の権能です

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    Utasinai 2012/05/02
  • なんで日本っていつまでも停滞してんの

    雑誌『電気と工事』に書いたエッセイの再録 まずお財布をだしてみよう。そして紙幣を広げてみる。おなじみの面々の顔や建物(守礼の門)があるだろうけど、その横に大きく「日銀行券」とか「日銀行」の文字があるだろう。この紙幣が日銀行が発行したものであることがわかる。 さて実はこの事実を知るだけで、もう今回のテーマである、日がなんでこんなに停滞しているかの答えがわかってしまう。とりあえずいまは頭の中に国内で流通するお札は日銀行「だけ」が供給しているってことを覚えておこう。 日が「失われた20年」だとか、あるいは「世界経済危機」だとかで、ず〜っと長期の停滞にはまっているのはみなさんも十分ご存じだろう。最近では、円高やデフレのせいで日の企業も働く人たちの生活も大変な状況だ。いまの円高やデフレがどうして日の経済にダメージを与えているかを簡単に説明してしまおう。 ところでよく新聞ではデフレとか

    なんで日本っていつまでも停滞してんの
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    Utasinai 2012/04/23
  • すべての人に贈るだまされないための経済入門ーベストブックガイド100+1

    勝間さん、宮崎さん、飯田さんの共著刊行を記念して以下にすべての人に贈る、一部の政治家・官僚・マスコミ・評論家や一部の経済学者、そしてほとんどのアルファブロガーやネットで自分の利害でしか書けないのになぜか経済を語る株式・資産運用者たちの放言などなどにだまされないためのブックリスト。 これ以上体系的でまた啓蒙的なブックリストは作成不可能。自信をもってお薦めします。とりあえず改行したところでひとまとめのコンセプト(僕と主張が違うでも対立軸を明確にするため参考になる対論のも掲載)。 まだ一冊も読んだない人はぜひ一読を。そして経済書を読んできた人は何冊読みましたか? 勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之『日経済復活 一番かんたんな方法』 日経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443) 作者: 勝間和代,宮崎哲弥,飯田泰之出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/02/17メディア: 新書

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    Utasinai 2010/02/01
  • 英エコノミスト誌「日本のデフレ:敗北主義の呪い」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=14966237 日の問題は財政赤字ではなく、デフレーションである。政府はデフレ宣言をしているが、政府と日銀行はまともにこの問題と取り組んでいない。という趣旨の厳しい日政府・日銀行の政策批判の論文である。デフレはスパイラル化してはいないが、デフレは問題である。日銀行はこれから数年デフレであると認識している。デフレは家計や企業の活動を圧迫し、財政赤字を増やし(税収減など)、実質金利を高めることで経済活動を抑制する。 ここ最近は日の輸出部門の健闘でそこそこ景気が回復してきたが、それも円高の進行で限界がみえてきている。日銀行と政府の協調が必要とされている。特に日銀行は事実上何もしないで回復を待つという「敗北主義」を採用している。こえは放棄すべきだ。日銀行は政府の

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    Utasinai 2009/11/30
  • 勝間和代・宮崎哲弥その他「民主新政権の経済政策、大丈夫か」in『朝日新聞』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    子どもが宿題用にファンである宮崎さんの記事をちょきちょき切ってファイルに閉じたために発見が遅れましたw。さてこの記事は勝間・宮崎両氏のリフレ派vs朝日編集委員の耐久レース派の対立として描けます。 ここまで鮮明に朝日新聞の編集委員が耐久レース派(日経済の現状は自律的な政策では回復できず、じっと外需の回復を待つ)ということを鮮明に出すということは、事実上、「若いものや職を失った中高年はとりあえず貧乏で苦しめ」と断言しているようなものでしょう(以下では雇用も考えているのでそうではないといっていますが明らかに矛盾します)。 朝日新聞も当然にさまざまな意見をお持ちの編集委員や記者の方がいるのは存じてますが、このあまりにも鮮明な対比(リフレ派vs耐久レース派)は、どんな企画意図だったのか、これが朝日新聞の基的主張なのか、と思ったりもします。 さて内容ですが、勝間氏の問題提起は、民主党の中の「景気対

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    Utasinai 2009/11/02
  • 予算の最大論点は「税収の落ち込み」 - Economics Lovers Live

    税収実績が現状で前年比70数%。このままでは40兆円を大きく下回る可能性があるという。その一方で歳出規模は膨張している。報道などではこの歳出の内容ー子育て手当やダムの見直しなどーに目が行きがちだが、僕からみると最大の予算の問題点はこの「税収の落ち込み」にある。 現時点で、日銀行も政府も経済の自然治癒ないしは外国の景気の持ち直しだのみ一色である。すでに何度も触れているが、現状での日の経済政策に景気対策は事実上ない。そのため「税収の落ち込み」が今年度だけではなく、かなりの長期間続くことが現状の政策をみるかぎり予想される。もちろん民主党が政権を取る前からこの事態は存在しているので民主党のみに責任があるわけではない。しかし同時にいま現在の民主党政権に税収の落ち込みを避ける政策があるのかといえば明確にノ―だろう。 いわば景気対策を放棄 → 税収の落ち込み放置 → 歳出の見直しの限界 → 受動的な

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    Utasinai 2009/10/16
  • 現代思想の最前線(東浩紀と辛坊治郎)から | 2009-02-08 - Economics Lovers Live

    東浩紀の渦状言論 はてな避難版 http://d.hatena.ne.jp/hazuma/20090207/1233992298 というわけでこれ以上国債は発行できない、しかし金は欲しい(選挙で勝つために金はばらまきたい)、だから自分たちで紙幣を作ろうって、それがまともな国家のやることでしょうか。定額給付金もバカげてますが、最近の日はいよいよ正気を失ってきた気がしてならない。 東氏と同じくらい「現代思想の最前線」に立つのがすなふきんさんのところhttp://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20090208/1234089307で紹介されていた辛坊治郎氏の発言。 しまいに「そんなことやってたら国民は税金も払わないでいいと思うようになる。モラルはどうなるんだモラルは!」なんて半切れ状態。そして最後は政府は信用できない、そんな政府に紙幣発行権与えるなんてとんでもない この

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    Utasinai 2009/02/09
  • ドラエモンの失業予測(やがて完全失業率は6.5%ないし7,5%へ)

    ドラエモンのブログより。ドラエモンの努力に感謝。それにしてももうすぐ出る拙著と予想が同じなんだけど、ここまでひどいことを考えているのは僕ぐらいだと思ってたけれども、年末のテレビでは高橋洋一さんも同意見だったし、これは真剣に怖い一致。econ2009さん(現在修正中)やラスカルさんたちも同様に厳しい推測を出している。それが確認できたのは怖いことだが有益だった(ちなみに下の記述をみればわかるようにかなりこれでも甘め。最悪ケースだとたぶん8%後半)。最悪の失業時代が迫っているのだろう。いまはまだ序盤戦にしかすぎない。対してわれわれが持っているのは、効果があるか不明な銀行や企業の一部資産の買取り、渋々のゼロ金利近傍(短期のレートの歪みつき)、2兆円の定額給付金1回だけ、こまこました減税、あとは自動安定化機能(含む雇用対策)の踏ん張りだけ……あと一番頼りになるのが海外の予想以上の立ち直り(つまり神頼

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    Utasinai 2009/02/06
  • 預金国家と借金国家でゼロ金利政策のもつ意味が違うって? - Economics Lovers Live

    またネタエントリーです。よろしくお願いします。 これは『夕刊フジ』に掲載されてたものらしい。木走日記さんとういう方のところで見たので木走さんの記事おこしの労を利用してすみませんが一部分引用させていただきます。 なるほど、日は預金国民、米国は借金国民なのだ。 「だから今回のゼロ金利は、米国民に対して徳政令に近い。対して日のゼロ金利は銀行に対する徳政令。うるおうのは国民ではなく大銀行だ」 米政府がゼロ金利に踏み切った目的は。 「まず、消費マインドを冷やさない。次に国民の負担軽減だ。ゼロ金利は米国民は大歓迎だ」 金融界やカード会社の収入は減らないのか。 「当然減る。しかし米政府は国民救済に走ったのだ」 ゼロ金利の意味が全く違うのだ。 「日のように国民の金融資産が1500兆円でゼロ金利をやるのは暴挙。民主国家と大企業国家の差がはっきり見える」 12月23日付け 夕刊フジ 4ページ コラム『鈴

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    Utasinai 2008/12/24
  • 日本はグローバル化をあまりしてないから軽症??

    「日はグローバル化に劣るから諸外国と比べて比較的まし」とか「グローバル資主義の危機で、日でもグローバル化した企業の方がダメージ」と妄説を信じている人が素人にも専門家(それを当にプロといっていいのか疑問だが)にも少なからずいます。 まず「日はグローバル化に劣るから諸外国と比べて比較的まし」からなんですが、IMFの最新の経済展望の資料をみてくださいhttp://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2008/02/pdf/tables.pdf。2007年までが確定で、金融危機が起きた2008年が推定です。2007年からの最もショックを受けたのは先進国では、米国は実質成長率が2.0%から1.6%、ユーロ圏が2.6%から1.3%へ。その他の経済圏が3.9から2.2へ。そして日は2.1%から0.7%へで一番減少率が大きいですよね。これでこの「日はグローバル化

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    Utasinai 2008/12/22
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