内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。 自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。 噂は真実か? 迷信か? 昔からよく「風邪はうつすと治る」と言われているが、果たして本当にそうなのか。医学的根拠はあるのだろうか。たしかに自分が風邪をひいた後に、まわりの誰かが風邪をひき、「自分が風邪をうつしてしまったのかも?」と、申し訳なく思うころには、当の本人は回復しているという経験をしたことある人もいるだろう。 しかし、結論をいうと、誰かに風邪をうつすことで自分の風邪が治るという話に、医学的根拠はなく、迷信に過ぎない。ただ、風邪の仕組みを考えると、なぜそのような迷信が生まれたのかがわかる。まずは、風邪とはどういうものなのか、改めて見てみることにしよう。 改めて知る風邪の正体 風邪とは、ウィルスが鼻や喉の粘膜に入り炎症を起こすことで、鼻水や咳、くしゃみがでたり熱がでたりする病気