180人、206人、333人、240人……。これは台湾における2021年5月15日から18日までの新型コロナウイルス感染者数だ。 世界中で新型コロナウイルスの流行が拡大して1年あまり、5月中旬まで台湾は新型コロナウイルス流行前と変わらない日常が続いていたにもかかわらず、台湾ではここにきて感染者が急増している。 前副総統の陳建仁氏は「ウイルスは進化して再来した」と漏らす。ウイルスはゆっくりとそして残酷に台湾が誇る「ゼロコロナ防衛ライン」を突破した。 突破された「コロナ防衛ライン」 5月15日には、台北市と新北市の新型コロナウイルスの警戒レベルが4段階のうち2番目に厳格な「第3級」へと引き上げられた。中央感染症指揮センターは15日を起点とした14日間が感染拡大抑え込みの正念場であると位置づけている。 台湾大学医学部附属病院・救急救命室の石富元医師は2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)を