★(1) 昨年のウクライナ問題や、日本人にもにわかに脅威として浮上してきたテロ集団「イスラム国」の台頭は、「国境線は変わる」という現実をまざまざと見せつけてくれている。それでも、いまだ多くの日本人には「自国の国境線が変わる」ことには現実感がないのが実情ではないか。 しかし、現実をよく見てほしい。国境線は事実、変わってきたのだ。戦争を経ずしても。 日本国憲法公布の6年後(1952年)、韓国は李承晩(イ・スンマン)ラインを一方的に宣言し、島根県・竹島を奪った。日韓漁業協議会によれば、以後65年の日韓基本条約締結までに、韓国軍はライン越境を理由に日本漁船328隻を拿捕(だほ)し、日本人44人を死傷させ、3929人を抑留している。 日本政府は「不法占拠だ」と声明は出しているが、具体的対抗策を取ってこなかった。結果、今や竹島には、韓国の武装警察官ばかりか民間人も常駐し、あまつさえ大統領まで訪れた。残