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ブックマーク / call-of-history.com (6)

  • 黒死病(ペスト)流行下(1348~53年)におけるユダヤ人迫害のまとめ | Call of History ー歴史の呼び声ー

    「黒死病(英語Black Death”)」と呼ばれる1347年から1353年にかけての世界的なペスト流行の渦中、ヨーロッパでは各地で暴力や虐殺を含むユダヤ教徒(ユダヤ人)への激しい迫害が展開した。 中世ヨーロッパにおけるユダヤ人二世紀のローマ帝国下での迫害(注1)以来、ユダヤ教徒(ユダヤ人)はパレスティナ地方から世界中に離散した(ディアスポラ)。キリスト教国教化以来迫害は苛烈なものとなり、六世紀に東ローマ帝国(注2)や西ゴート王国(注3)等で大規模な迫害があったが、世界各地に住み着いたユダヤ人たちは宗教的慣習を維持して自治共同体を築き、国際的なネットワークを生かして交易で富を得て存在感を発揮するようになり、特にイスラーム世界で重用され、キリスト教世界でも王権との関係が安定化して寛容な時代を迎える。 ユダヤ人たちはローマ帝国の迫害を逃れてドイツからイベリア半島にかけてのローマ帝国周縁に逃れ

    黒死病(ペスト)流行下(1348~53年)におけるユダヤ人迫害のまとめ | Call of History ー歴史の呼び声ー
    Vudda
    Vudda 2020/07/16
  • 「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」

    メキシコの麻薬組織のニュースは日でも盛んに報じられるようになった。大半は政治家や地元警察の幹部が殺されたとか、死体をバラバラに切り刻まれたとか生首が晒されたといった残酷極まるもので、相次ぐ目を覆いたくなるニュースに、メキシコで今何が起きているのかと驚かされる。 書は、近年激化の一途をたどるメキシコの麻薬組織抗争と政府の衝突について、著者が現地で当事者たちから丁寧な取材を行い、その全体像を明らかにした一冊である。第一部(第二章~第七章)では麻薬組織台頭の歴史が、第二部(第八章~第十二章)では麻薬取引の様子から生活、文化、信仰、殺し屋たちなどマフィアの実像が、第三部(第十三章~第十六章)では、現在の拡大するメキシコの麻薬組織の影響力、政府と組織、組織間の対立の構図、グローバル化するネットワーク、そして今後の展望について、400ページ以上、充実のボリュームで描かれている。 書の第一部約15

    「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」
    Vudda
    Vudda 2015/10/12
    "約九〇%にあたる五一一四丁が米国内の銃砲店で売られたものだったという。"
  • 河村瑞賢~近世日本の大海運網を確立させた強欲商人

    序章近世の日経済史を語る上で必ず画期となされるのが、東廻り海運、西廻り海運という航路の確立である。両航路が開かれたことで「天下の台所」大阪、大消費都市江戸の繁栄を支える大物流網が整備されることになり、江戸経済繁栄の礎となった。 この両航路を開いたのが豪商・河村瑞賢である。江戸時代の商人というと近江商人などのように高い理念や思想性が話題になるが、瑞賢は全く正反対、強欲さと野心、手段を選ばぬ利潤追求の人であった。 瑞賢は元和二年(一六一八)、伊勢国度会郡東宮村(現在の三重県度会郡南伊勢町)の百姓太兵衛の長男として生まれた。河村家は自称藤原秀郷の後裔で頼朝の奥州征伐で軍功を挙げ戦国時代には北畠氏に仕えたと言うが、おそらく作り話であろう。太兵衛には男だけで九人の子があり、自ずと生計を外に求めざるを得ない貧農であった。後の瑞賢、河村十右衛門は十五歳になると江戸に出て、まず車力(大八車で荷を運ぶ運送

    Vudda
    Vudda 2014/11/19
  • 「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著

    琉球史の第一人者高良倉吉氏が、東シナ海の中継貿易で栄えた琉球王国の姿を、琉球王国誕生前の三国鼎立時代から十六世紀末にかけての時期を中心に描いた一冊。 この時代の琉球史・琉球外交史については大まかなところを以前「琉球王国の興隆と衰退を中心に十六世紀東アジア貿易と島津-琉球外交略史」で書いたので、そのあたりの歴史については割愛して、特に当時の東シナ海沿岸諸国と琉球の密接な関係を表すエピソードを少し紹介してみる。 十五世紀の琉球が馬の産地で、明国の対モンゴル遠征で大量に馬が輸出され、その協力への報酬として、海禁政策によって海外に出られない明人に代わり、琉球が独占的に中継貿易を行うことが出来たことは書を参考として別記事でも紹介したが、そのような冊封体制下で、琉球は明国と非常に密接な交流があった。 その代表的な例が「唐営」という華人の共同体の存在である。当時、琉球に限らず、海禁政策によって故国に帰

    「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著
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    Vudda 2014/09/01
  • 琉球王国の興隆と衰退を中心に十六世紀東アジア貿易と島津-琉球外交略史 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    別のテーマで書いていた記事の話のまくらとして琉球王国の興隆と衰退、琉球と島津氏の外交について五百~千文字ぐらいの気分で略史をまとめていたらやたら長くなったので個別記事として切り出してみる。 琉球王国は長く三国鼎立状態にあった沖縄島を一地方豪族から身を起こして一代で統一した尚巴志とその父尚思紹に始まる。尚巴志は統一戦争の過程で父尚思紹を王位につけ(1406年)、父の死後の1429年、沖縄島を統一(第一尚氏王朝)。しかし、尚巴志王の死後政権が安定せず、1469年、重臣金丸が王位を簒奪、尚円王を名乗り、第二尚氏王朝が成立した。以後、十五世紀末から十六世紀前半にかけて全盛期を迎え、島津氏の琉球出兵(1609年)を経て、1879年に日に併合(「琉球処分」)されるまで第二尚氏王朝が存続する。 琉球王国の隆盛は海禁政策下にあった明国の冊封体制に入ることで明と東アジア諸国とをつなぐ中継貿易によっても

    琉球王国の興隆と衰退を中心に十六世紀東アジア貿易と島津-琉球外交略史 | Call of History ー歴史の呼び声ー
    Vudda
    Vudda 2014/08/01
  • 「琉球の時代: 大いなる歴史像を求めて」高良 倉吉 著

    琉球史については詳しくなかったので、少し入門的なが無いかなと思い読んでみたのがこの。2012年ちくま学芸文庫から出版だが底は1980年発行で、現代の琉球史研究の第一人者である著者の初期の著作になるようだ。特に史料が見られ始める十四世紀の三山時代から1609年の島津侵入事件までの古琉球と呼ばれる時期を中心に扱っている。 従来の伝承や創作性の強い史料の記述に頼った琉球史研究に対して、実証的な批判を加えつつ、タイトル通り新たな琉球史の歴史像を模索し始めた一冊なようで、ここから現在までの30年余りの間、どのように琉球史研究が発展したのか強く興味を覚えさせられた。琉球の通史を知りたいと思ったときに最初に読むのにとても向いていると思う。 近世以前の琉球の歴史は非常にドラマティックでエキサイティングである。長きに渡る貝塚時代のあと、十世紀ごろからグスクと呼ばれる城塞や小高い丘を中心とした集落による

    「琉球の時代: 大いなる歴史像を求めて」高良 倉吉 著
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    Vudda 2014/05/25
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