「専属の通訳、広報をつける」「食事や言葉も心配ない」などと好条件を用意し、本人も乗り気だった。それでも結果的に米大リーグはふられた。花巻東の155キロ左腕菊池雄星は日本のプロ野球を選択した。門外漢としては日本で見られるのは歓迎でも、会見での涙を見たら「本当にそれでいいの?」と念を押したくなった。 メッツ・大慈弥環太平洋担当部長の「なぜ、周りの大人が能力も志を持った子を(メジャーへ)後押しできなかったのか」の一言がすべてではないか。旧家のひとり娘に大金持ちの米国人が求婚し話が進みながら、因習にとらわれる周りがよってたかってストップをかけたような感じだ。 日米同じ条件になるようにと4日間実施した日米20球団の面談では、指名しないと明言している日本の球団まで「うちは若手が活躍しているが、指名はしない」と伝えた。そんなことをわざわざ出かけていって言う必要などあったのか。メジャー流出を足並みそろえて