■スポンサーリンク 「今日友だちに姉ちゃんがA高校や、って言ったら、『マジで?姉ちゃんそんな頭いいのに何であんたそんな馬鹿なん?』って言われた」 そう言うと妹は言葉を終える前に1人堪えきれず爆笑しだした。虫歯一つない歯がゲラゲラと楽しそうな笑い声をたてた。妹の笑いは通常それと自覚なしに周囲の誘い笑いを引き起こす。当時わたしは地元の進学校、妹は偏差値の一番低い公立高校に通っていた。どうやら友人にわたしの通う高校の話をしたところ上記のリアクションをされたらしい。妹はまだ笑っている。だがわたしは、笑わなかった。 小学校に上がる頃くらいから知っていた。人が自分よりも妹を好きなことを。手前味噌ではあるが妹は可愛い。潤んだ大きな瞳にぷっくりとした唇。そのコロコロと豊かに変化する表情やユーモアあふれる物言いは一緒にいる者を楽しい気持ちにした。周囲は競うようにして妹の傍に居たがった。 それとは対照的にわた