円堂都司昭「『けいおん!』に勝てない日本のロック」 2010年05月18日21:27 担当者より:音楽やミステリの分野でご活躍中の円堂都司昭さんに、日本のバンドブームに関する原稿をご執筆いただきました。タイトルは当初の「今世紀の『バンド』・ブームをめぐって」を改題したものです。また円堂さんは、話題の本『バンド臨終図巻』(河出書房新社)の共著者でもあります。そちらも併せてどうぞ。 配信日:2010/05/12 ふり返れば、ゼロ年代以降は、「バンド」ブームだった。昔からバンドというものは物語の題材にされてきたけれど、コミック、映画、小説などでこれほどバンドを扱ったヒット作、話題作が多かった時期はないのではないか。つまり、60年代のグループ・サウンズ、80年代のイカ天の頃みたいに実際にバンドが増えたからブームだというよりも、近年は「バンド」というイメージのほうが活気づいているように思う。