近年、シーンの最前線にいるバンドのメンバーが、映画の劇伴を手掛けることが増えてきた。たとえば、クラムボン・ミトが映画『心が叫びたがってるんだ。』、サカナクションが映画『バクマン。』の主題歌と劇中音楽、くるりの岸田 繁が『まほろ駅前狂騒曲』の劇伴を担当するなどしている。なぜ、バンドマンがここまで積極的に起用されるようなったのか。 スペースシャワーTVの映像プロデューサーであり、『フラッシュバックメモリーズ3D』や『劇場版BiSキャノンボール2014』、現在公開中の『私たちのハァハァ』といった話題作を手がけた高根順次氏は、先に挙げた3作品の充実ぶりを指摘する。 「『心が叫びたがってるんだ。』に関しては、作品の根幹にも関わる、ミュージカルの楽曲を含むスタンダード・ナンバーが多く使用されています。ミトさんはそれを上手くアレンジし、必要なところに必要な分だけ音が足されているという感じで、音響効果を含