2024年4月5日のブックマーク (3件)

  • 「ケアの哲学」書評 依存と自律をいかに両立するか|好書好日

    「ケアの哲学」 [著]ボリス・グロイス ヤングケアラーや介護現場の苦境が報じられる一方、ケアという概念はここ数年、倫理学・政治学・批評等で総じて積極的な意味で用いられてきた。ただ、流行語の常として、その語られ方がときに易(やす)きに流れることがあるのも確かだろう。ならば、今こそケア論のケアが必要ではないか。 書では、世界的な美術批評家ボリス・グロイスがケアの哲学を語る――しかも大胆かつ意外なやり方で。彼はソクラテス以来の哲学をケアの思想として読み替える一方、従来のケア論にハイデガーやアレントの哲学から介入しようとした。異なる知的体系を遠慮なくシャッフルする彼のやり方は、現代アートの手法を思わせる。 そもそも、ケアの公共化は、革命の時代が終わり「自己保存」が人類の最大の関心事になったことと関わる。著者によれば、それを象徴するのが病院と美術館である。病院が人体を治療し保護するように、美術館は

    「ケアの哲学」書評 依存と自律をいかに両立するか|好書好日
    XFKDX
    XFKDX 2024/04/05
    “ケアの社会では誰もが潜在的な病人であり、ゆえに過剰に防衛的なふるまいが目立つようになるのだ。では、この病院=美術館に似たシステム”
  • ファシズムは変化したが、死んではいない――マーティン・ウルフ | JBpress (ジェイビープレス)

    今日の最も重要な例を挙げるとするなら、ドナルド・トランプはファシストなのか。フランスのマリーヌ・ルペンはどうか。ハンガリーのオルバン・ビクトルはファシストなのか。 その答えは、「ファシスト」という用語をどんな意味で使うかに左右される。だが、我々が現在目にしているものは単なる権威主義ではない。 ファシズム的な特徴を併せ持った権威主義だ。 ナチズムとファシズムの違いと古今の区別 議論を始める前に、2つの区別をはっきりさせておく必要がある。1つ目は、ナチズムとファシズムの区別だ。 人文学者で小説「薔薇の名前」の著者でもある故ウンベルト・エーコが1995年にニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス誌に発表した「原ファシズム」についてのエッセイにあるように、「ヒトラーの『我が闘争』は完成された政治プログラムのマニフェストだ」。 権力の座にある時には、ナチズムはスターリン主義と同様に「全体主義」だった。

    ファシズムは変化したが、死んではいない――マーティン・ウルフ | JBpress (ジェイビープレス)
    XFKDX
    XFKDX 2024/04/05
    “「生のための闘争など存在しない。あるのは闘争のための生だ」「誰もが常に嘘をつく場合、そこで合意されるのは嘘を信じるということではなく、誰もが何も信じなくなるということだ」”
  • ウクライナとガザとアイデンティティー政治の台頭、世界の良心は謎めいた動きをする――ギデオン・ラックマン | JBpress (ジェイビープレス)

    動画の前半では、カービー氏は落ち着いた様子でガザの民間人の死を戦争の「残忍で醜い」現実の一環として説明している。 後半では、ウクライナでの民間人の死のおぞましさを描写しながら涙ぐむ。 バイデン政権を批判する向きにとっては、あの動画が米国のダブルスタンダードを要約している。 だが、ウクライナとガザの相対的な扱いに関する議論全体が、選択的な同情心についての大きなポイントを見落としている。 ウクライナとガザ、イスラエルの悲劇はいずれも、世界のその他地域の戦争と人道的惨事よりはるかに大きな注目を集めているのだ。 世界最悪の飢餓の危機を迎えるスーダン ガザにおける飢饉(ききん)の脅威が現在、全世界で日々、ニュースの見出しを飾っている。 だが、国連は先週、「スーダンが間もなく世界最悪の飢餓の危機」になり、1800万人が深刻な糧不足に見舞われていると警鐘を鳴らした。 国連は、650万人以上の市民が住ま

    ウクライナとガザとアイデンティティー政治の台頭、世界の良心は謎めいた動きをする――ギデオン・ラックマン | JBpress (ジェイビープレス)
    XFKDX
    XFKDX 2024/04/05
    “一部の悲劇と紛争が世界の関心を集め、別の悲劇と紛争がほとんど注目されないようにしているものは一体何か。 その答えは「アイデンティティー政治」と呼べるもののように思える。”