2日に今季J2の全日程が終了した。リーグ屈指のタレントを誇った清水エスパルスは東京ヴェルディとのJ1昇格プレーオフ(PO)決勝で引き分け、今季の最低目標だったJ1復帰を果たせなかった。過去最高の強化費を投じながらも、J2で4位はクラブ史上最低の結果。日刊スポーツ静岡版では屈辱のシーズンとなった今季の戦いぶりを2回にわたって振り返る。前編はフロントの失態について考察する。 ◇ ◇ ◇ 今季の清水は昨季から何も変わっていなかった。クラブ史上2度目のJ2降格が決まった昨年11月5日。山室晋也社長(63)は声明を発表した。「強い意志のもと変革し、皆様の信頼を取り戻すべく精進いたします」。誰も責任を取らずに臨んだ今季はJ2で4位。信頼を取り戻すどころか、再び失望させた。変革の柱に掲げた「育成型クラブ」への転換も実現せず、ただただ同じ失態を繰り返しただけだ。 その責任は重い。今季は過去最