54 時間の諸次元と力動性 システム論に対する現象学の批判 ゲオルグ・シュテンガー(ヴュルツブルグ大学) 時間とは何か。この問いと共にすでにわれわれは、大きな困難に遭遇する。われ われは、この問いを時間の内部で問えるのか、この根本的な前提をわきに押しやる ことができる、あるいは、そうすべきなのか。テーマとして時間に距離をとり、客 観化することができる、あるいは、そうすべきなのか。われわれは、同様な仕方で、 空間、言語、行為などの現象を問題にすることについて分かっており、一般的な哲 学上の根本概念が、われわれはそれらの概念に携わり、使用しながら、一方で、そ れらの統合する能作を端緒にし、他方で、同時に、この能作そのものに構成的に包 含されていくということで特徴的であることにも出会っている。時間の問題は、よ り錯綜しているように思える。 「時間とは何か。誰もそれを問うことがなければ、そ れは分