日本文芸における2007年 というのは、もしかすると歴史に残る年になるのではないかと思い始めてきた。 佐藤友哉の『1000の小説とバックベアード』三島賞受賞 東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』刊行*1 第137回芥川賞ならびに直木賞ノミネート作のリストを見ても、ちょっと今までとは違う雰囲気を出している。 そして、何より早川SFがすごい。 ほんの数年前であれば、講談社ミステリが文学の世界を揺さぶっていた。 だが、少なくとも今年に限って言えば、間違いなく早川SFだ。 つまり、円城塔の『Self-ReferenceENGINE』であり、宇野常寛の「ゼロ年代の想像力」であり、そしてこの伊藤計劃『虐殺器官』だ。 『虐殺器官』 裏表紙に書いてある解説には「近未来軍事諜報SF」とある。 最初は、まあ面白そうだけど別に買わなくてもいいや、くらいであった。 どこかのブログで、攻殻っぽいかも、と書かれており、
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