楽天モバイルが総務省の有識者会議で要望しているプラチナバンドの再分配が、業界を越えた波紋を呼んでいる。NTTドコモなど大手3社に割り当てられた帯域の一部の再配分を要望するという前代未聞の事態に大手3社は反発。「他の無線システムを利用している周波数も対象に議論すべきだ」(NTTドコモ)とし、同帯域を利用するテレビ放送やITS(高度道路交通システム)を含めた議論に広がってきたからだ。このことが、業界をまたぐ電波の有効活用という課題を浮き彫りにしている。 舞台となっているのは、総務省が2020年11月末から開始している、電波利用の将来像を検討する有識者会議「デジタル変革時代の電波政策懇談会」だ。20年12月下旬に開かれた会合に出席した楽天モバイル社長の山田善久氏は、「既存プラチナバンドを再配分して新規参入事業者への機会の平等を実現してほしい」と説明。NTTドコモとKDDI、ソフトバンクに割り当て