廃止された「原子力公開資料センター」。入り口には鍵がかかり、廃止を告知する紙が張り出されている=中西拓司撮影 「原子力の図書館」として、原子力資料を一般市民に公開していた「原子力公開資料センター」(東京・霞が関)が、運営元の旧内閣府原子力安全委員会から新しく発足した原子力規制庁に引き継がれず、廃止されていたことが分かった。再開のめどは立っておらず、資料4万ファイルは公開されないまま宙に浮いている。福島原発事故の反省を踏まえ、原子力行政の透明性アップを目標に掲げて発足した規制庁だが、識者からは「情報公開の取り組みが劣化した」との批判の声が上がっている。【中西拓司】 ◇原発資料など4万ファイル センターは約600平方メートルで、旧安全委員会に近い民間ビル内にあった。原発を建設・運転する際に必要な設置許可申請書や安全審査書のほか、政府の議事録など資料約4万ファイルが収蔵され、福島事故直後は1日約
音楽や映像を違法に複製した「海賊版」を、インターネット上に配信する違法なアップロード行為だけでなく、海賊版をパソコンや携帯電話に取り込むダウンロード行為にも罰則を科す法案の修正案が今国会に提出される見通しだ。CDなどの売り上げ不振が「海賊版が多くダウンロードされたため」だとする音楽業界の意向を受けた動きだが、ネットに違法な音楽や映像があふれている現状に、利用者側から「パソコンのワンクリックで誰もが犯罪者になる恐れがある」と懸念の声も上がっている。【岡礼子、青島顕】 ◆手続き ◇利用者側、懸念の声 海賊版の音楽や映像をアップロードする行為は90年代に違法となり、現在は「10年以下の懲役または1000万円以下の罰金」が科せられる。一方、ダウンロードは2010年の著作権法改正で違法とされ、民事上の責任を問われることになったが、罰則は「違法性が軽微」として見送られた。 前回の法改正翌年の11年後半
1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた強盗殺人「袴田事件」の第2次再審請求で、検察側推薦の鑑定人が行ったDNA型鑑定結果が16日、公表された。証拠の衣類に付着し袴田巌(はかまだ・いわお)死刑囚(76)のものとされた血痕と、袴田死刑囚本人とのDNA型について「完全に一致するDNAは認められなかった」とした。弁護団が明らかにした。弁護側推薦鑑定人は既に「不一致」と鑑定している。 確定判決は5点の衣類に袴田死刑囚と被害者の血痕が付着しているとして、袴田死刑囚が犯行時に着用していたと断定した。しかし、袴田死刑囚は「自分のものではない」と主張、無実を訴えてきた。 鑑定対象は、袴田死刑囚の着衣とされた白半袖シャツ。事件当時の鑑定では「右肩部分の血痕が袴田死刑囚と同じB型」とされたが、今回の検察側推薦の鑑定人は、袴田死刑囚の血痕ではなかった可能性が高いことを認めたことになる。 一方、5点の衣
大手検索サイト「グーグル」に実名などの文字を入力して検索する際、途中から予測文字や補足情報を表示する「サジェスト機能」を巡り、日本人男性がプライバシーを侵害されたとして、米国のグーグル本社に表示差し止めを求める仮処分を申請し、東京地裁(作田寛之裁判官)が申請を認める決定をしたことが分かった。だが、米グーグルは「日本の法律で規制されない」と拒否し、被害が救済されない事態となっている。決定は19日付。【中川聡子】 米グーグル拒否「日本の法律で規制されない」 男性側によると、男性の実名を入力しようとすると、途中からフルネームとともに犯罪行為を連想させる単語が検索候補の一つとして表示され、それを選択すると男性を中傷する記事が並ぶという。 男性は数年前、当時の勤務先で思い当たる節がないのに退職に追い込まれ、その後の就職活動でも採用を断られたり内定が取り消されたりする事態が相次いだという。このため調査
日本原子力学会(田中知会長)は19日、東京電力福島第1原発事故について独自の報告書を6月末にもまとめることを決めた。同日福井市で始まった定期大会で、参加者から「学会として科学的な事故分析をまとめていないのは志が低すぎる」と批判が出たため。 同学会は事故を受けて調査専門委員会を設置、5月に提言としてまとめた。しかし炉心溶融や水素爆発などがどう起きたか事故の詳しい分析はしていない。 大会初日のこの日、事故の特別シンポジウムが開かれ、沢田隆副会長が政府の事故調査委員会など他機関の調査と、学会の提言との比較を発表した。ところが会場から「福島第1原発で何が起きたかを学会として科学的分析をして明らかにすべきだ」と独自調査を求める声があがった。このため今後、東電や経済産業省原子力安全・保安院などが公表している同原発の温度や圧力などのデータを精査する。 このほかシンポジウムでは、東電の福田俊彦原子力品質・
東北電力女川(おながわ)原発(宮城県女川町・石巻市)が津波に耐えたのは、平井弥之助(1902~86)という先覚者の見識と執念による。東京新聞の記事(7日朝刊)で知った。 原発の再稼働と安全性評価が問われ、信頼の欠如が指摘されている今、平井の人物とエピソードは示唆に富む。 平井の仕事を今に伝える語り部は、東北電力で指導を受けた大島達治(82)だ。 大島によれば、平井の真骨頂は「自分の判断で結果責任を負う」使命感にあった。「決められた基準さえ守れば」と安直に考える人間ではなかった。法令を尊重するが、法令順守が目標ではなく、法令を超えた本質的な課題を徹底して調べぬく技術者、経営者だった。 女川原発が壊滅を免れたのは14・8メートルの高台にあった(福島第1は10メートル)からだ。貞観(じょうがん)大津波(869年)を調べて立地したことは知っていた。平井の孤軍奮闘で導かれた決定だったことは知らなかっ
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