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ブックマーク / kosmograd.jp (10)

  • では、次期基幹ロケットは戦えるのか - Космоград

    前々回、前回の記事からの続きとなる。 これまでの記事では、宇宙政策委員会やJAXA、三菱重工などの宇宙企業の間で、そしてそれぞれの中でも、次期基幹ロケットに求めるものが異なっており、にもかかわらず次期基幹ロケットの開発がすでに決定された、という現状について書いた。 では、このまま次期基幹ロケットの開発が進んだとして、完成したロケットはどうなるのだろうか。世界の商業ロケットと戦えるのだろうか。 まず価格については、JAXAの資料1によれば、固体ロケットブースターを持たない構成で50億円、固体ロケットブースターを2持つ構成(中型の静止衛星打ち上げ用)では60億円、そしてブースターを6持つ構成(大型の静止衛星打ち上げ用)だと80億円ほどと見積もられている。 対してファルコン9は5,650万ドル(現在のレートで約58億円)である2。ファルコン9の静止トランスファー軌道への打ち上げ能力はファルコ

  • 次期基幹ロケットはそもそも世界と戦うつもりなのか - Космоград

    先日のエントリーの続きである。今度は、では国としては次期基幹ロケットをどういうロケットにしたいと考えているのか、そもそも世界の名立たるロケットたちと戦うつもりなのか、ということについて考察したい。 日では、内閣府に設置されている宇宙政策委員会というところが、日の国としての宇宙開発の行く末を審議している。次期基幹ロケットに関しては、まず2013年5月28日に開かれた宇宙政策委員会の宇宙輸送システム部会の第6回会合において開発に着手することが決定され1、そして2013年5月30日に開催された宇宙政策委員会の第15回会合で、この宇宙輸送システム部会での結果が取り上げられ、承認された2。 この時俎上に上がった資料、つまり実際に「新型基幹ロケットの開発に着手する。」と書かれた資料である『宇宙輸送システム部会の中間とりまとめ3』では、「我が国が宇宙輸送システムを保有する意義」として、以下の3点が挙

  • 次期基幹ロケットは何を武器に戦うのか - Космоград

    先日のGPM主衛星の打ち上げ後の記者会見で私は、出席しておられた三菱重工の宮永俊一社長と、文部科学省の櫻田義孝副大臣に「H-IIAが17機連続で成功したと誇っておられたが、10機足らずの成功数しかないファルコン9が続々と商業衛星打ち上げを受注している現状をどう見ておられるか、後継機でどのように、この安価なロケットに対抗していくのか」という質問をした。 現在日では、2020年ごろの初打ち上げを目指し、H-IIAロケットの後継機となる次期基幹ロケットの検討が進められている。すでに計画は宇宙政策委員会によって承認されており、平成26年度、つまり来月から、いよいよ開発に入ることになっている。 そして今、日のみならず、世界各国で新しいロケットの検討や開発が進められている。すでに運用に入っている機体もある。それら新型ロケットの能力は未知数ではあるものの、どれも次期基幹ロケットにとって強力な対抗機種

  • 『星ナビ』3月号に嫦娥三号の記事を書きました - Космоград

  • 『星ナビ』3月号に嫦娥三号の記事を書きました - Космоград

    天文雑誌『星ナビ』の2014年3月号(2月5日発売)に、月探査機「嫦娥三号」の解説記事を書かせていただきました。 すでに報じられている通り、嫦娥三号のローヴァー「玉兎号」に何らかの問題が発生し、復旧できるかどうか分からない状況にあります。トラブルが起きたのが、原稿を入稿した後のことだったため、記事中では今でも元気に動いていることになっていますが、どうかご容赦ください。 今の段階では問題の詳細については明らかにされておらず、また現在、玉兎号は「月の夜」の中にあり、たとえ正常だったとしても通信や探査活動ができない状況にあります。次に昼が訪れるのは2月8日で、玉兎号の状態や、今後の探査継続の可否が分かるのは、それ以降になるでしょう。 かつて欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機ビーグル2が、着陸後に通信が取れなかったりしたときや、「はやぶさ」が通信途絶したとき、新しい情報はまだかまだかと待ち続け、そ

    『星ナビ』3月号に嫦娥三号の記事を書きました - Космоград
  • 中国の新型ロケット「快舟」の謎を追う - Космоград

    9月25日、中国は突如として「快舟」と呼ばれるロケットを打ち上げた。中国の宇宙関連機関やメディアは打ち上げ成功の事実を短く報じたのみであったが、朧げながらも見えてきたのは、極めて野心的で、そして革新的な衛星打ち上げ機と衛星の姿であった。そしておそらく、現在米国が進める即応宇宙(Operationally Responsive Space)計画に匹敵するシステムの開発に成功した可能性も高い。 現在判明している事実やいくつかの手がかりから、快舟ロケットと快舟一号の正体を推測する。 前日談 事の起こりは9月22日、宇宙開発のフォーラムであるNASASpaceflightと航空航天港に投稿された、妙なNOTAMが出たという書き込みであった12。NOTAMとはロケットやミサイルの打ち上げや、あるいは花火の打ち上げなど、一時的に空を使用する場合において、その近くを通過する航空機に対して注意を呼びかける

    YaSuYuKi
    YaSuYuKi 2013/10/26
    中国の宇宙開発は、本当に隙がないように思える
  • アメリカの偵察衛星のコードネームが明かされた - Космоград

    КОСМОГРАД I leave no trace of wings in the air, but I am glad I have had my flight. 米ワシントン・ポスト紙は8月30日、「黒い予算」と題する特集を掲載した1。これはアメリカのスパイ活動に費やされる予算について、どういった分野にいくら費やされているのかといった概要を紹介したもので、当然これまでは最高機密とされていたものだ。 この記事はエドワード・スノーデン氏による同紙への予算書のリークを受けて書かれたものだ2。スノーデン氏は元中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)の職員で、今年6月に、NSAはアメリカ国民や他国の人々の電話やインターネット通信を傍受しており、また同盟国の大使館でも通信傍受が行われ、さらにマイクロソフトやグーグルなどの大手IT企業や通信企業がそれに加担していると告発し、世界中を騒がせた人

  • プロトンM、測位衛星グロナスMの打ち上げに失敗 - Космоград

    КОСМОГРАД I leave no trace of wings in the air, but I am glad I have had my flight. バイコヌール現地時間7月2日8時38分22秒(日時間同日11時38分22秒)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の81/24発射台から、プロトンM/ブロクDM-03ロケットが打ち上げられた。このプロトンにはロシアGPSとも呼ばれる衛星測位システム、グロナス(ГЛОНАСС、グラナース)を構成する衛星グロナスM(ウラガーンM)が3機搭載されていた。 しかし離昇直後からプロトンは異様に傾き始め、それを修正しようしたのか反対側に傾き出すも、今度は地面と水平にまでなったあと落下を始め、空力によってロケットの上部が崩壊、さらに機体が炎上し、地面へと墜落した12。 この打ち上げの様子はロケットの打ち上げ、追尾、管制を担当す

  • 羅老ロケット3号機打ち上げの結論 - Космоград

    keep an eye on the sky ― you never know what fantastic things you’ll see! 開発における数多のごたごたと、2度の打ち上げ失敗を経て、ついに韓国は羅老ロケットの打ち上げに成功し、ソヴィエト連邦、アメリカ合衆国、フランス、日中国、英国、インド、イスラエル、イラン、北朝鮮に次ぐ世界で11番目の衛星打ち上げ国となった。 これに関して、「羅老はロシア技術供与で造られたのだから、このリストに列するべきではないのではないか」とする声が少なからず見受けられた。確かに第1段はロシア製だ。第2段の開発にもロシア技術指導が入っている。しかし第2段より上の部分を実際に開発、製造したのは韓国であり、またそもそも計画を立て、資金を出し、プロジェクトをまとめた(その実態はともかく)のは韓国自身に他ならない。 また第1段がロシア製であるという

  • チェロメーイのスペースシャトルの新しい写真が見つかる - Космоград

    ロシアにNPOマシノストロィエーニヤ社(ВПК «НПО машиностроения»)と言う会社がある。とても1回では読めそうにはない、深い意味がありそうな名前だが、"машиностроения"は日語で「機械工学」という意味で、何ということもない名前だ。同社はロケット・ミサイル開発の名門企業で、小型ロケットのストレラーや、その基になった大陸間弾道ミサイル(ICBM)のUR-100NU、ローコトの基になったICBMのUR-100の他、超音速で巡航できる対艦ミサイルのP-700グラニートやP-800オーニクスなどを生み出し、また最近ではインドと共同で超音速巡航ミサイルのブラモスを開発している。 同社は月に数回オンライン新聞を発行しているのだが、その4月12日号にとても興味深い写真(右)が掲載されていた。一人のロシア人と、その後ろの壁には翼を持った宇宙船らしきものの写真が写っている。

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