人間はもうコンピュータに勝てないのか…… そう絶望していた人も多いだろう。なにしろ第2回電王戦以来、途中引き分けを挟み5連敗中なのだ。だが、本局は人間の圧勝。パーフェクトゲームだった。これまでの対局と何が違うのか、人間が勝つ鍵はどこにあるのか。その秘密に迫りたい。 3月29日、将棋のプロ棋士とコンピュータ将棋ソフトが戦う「第3回将棋電王戦」第3局、豊島将之七段対YSS(開発者:山下氏)の一戦が、大阪・あべのハルカスで行われた。対戦形式は5対5の団体戦で、ここまで将棋ソフト側が2連勝。プロ側は敗れると団体戦の敗北が決まる崖っぷちの戦いである。 3月7日に全面開業したばかりのあべのハルカスは、地上60階、高さ300mは日本一の高さ。対局場は、あべのハルカス内の大阪マリオット都ホテル55階インペリアルスイートが用いられた 対局が開始され、互いに最初の一手を指したところで、豊島七段は上着をパサリと