豪雨災害対策/ダム、堤防の強化を急ぎたい 洪水や土砂災害などで甚大な被害が広がった西日本豪雨は、豪雨災害の恐ろしさをまざまざと見せつける一方、防災の遅れを痛感させた。上流のダムのかさ上げ、河川の堤防の強化など、ハード面の対策を急がなければならない。 西日本豪雨などによる被害額は、農林水産業関連だけで768億円に上った。被害額は今後も膨らむ見込みで、その他のさまざまな被害を合わせれば、どれほど巨額になるか分からない。 豪雨災害はさまざまな治水対策によって相当程度、被害を軽減できる。被害が発生してからの人命を含めた巨額の損失を考えれば、事前の防災対策という公共事業をためらうべきでない。急激な気候変動に対する防災対策の進展の速度は遅れている。 まずは、河川の堤防の強化を早急に実施すべきだ。堤防の多くは、川側がコンクリートでも、裏法面(のりめん)と呼ばれる住宅地側は土でできている。堤防からあふれる