住友化学がこの2月12日に発表した新中期経営計画(新中計/2013〜15年度)に、証券アナリストの間で「病人がフルマラソンをするよう」との見方が広がっている。 ●事業拡大より借金返済が先 同社が発表した新中計の目標設定は15年度(16年3月期)に売上高2兆4000億円(12年度見込み比2.1%増)、営業利益1400億円(同2.8倍)、経常利益1500億円(同3.3倍)という大変意欲的なもの。 だが、有利子負債は1兆700億円(13年3月期見通し)まで膨らんでいるのに対し、12年3月期第3四半期の自己資本は4360億円。つまり、経営安全性を示すD/Eレシオ(自己資本に対する有利子負債の割合)は前期決算時点で2.5倍と、かなり厳しい数値。D/Eレシオは過去5年間の通期でも上昇し続けており、化学大手の中で特に財務体質が脆弱と指摘される理由にもなっている。 したがって「新中計でまずなすべきは、病気