タグ

ブックマーク / drpooh.hatenablog.jp (6)

  • 医師と代替医療 - Dr.Poohの日記

    代替医療のトリック 作者: サイモンシン,エツァートエルンスト,Simon Singh,Edzard Ernst,青木薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 単行購入: 38人 クリック: 1,000回この商品を含むブログ (112件) を見る 各所で評判になっているので読んでみました。書で最も力点が置かれているのは,医療介入の有効性を公正に判定することがいかに重要なことかということでしょう。人類は長い歴史のなかで失敗を繰り返し数多くの犠牲の末に確立した「科学的根拠にもとづく医療」の解説に一章を費やし,数々の代替医療に対してあくまで予断を持たずに科学的根拠があるのかどうかを検討します。原題の"Trick or Treatmet?"(インチキなのか治療なのか)は,ハロウィンの"Trick or Treat”をもじっただけでなく,はじめからインチキと決めつけるのでは

    医師と代替医療 - Dr.Poohの日記
  • パターナリズムと日本 - Dr.Poohの日記

    先日の記事に対してリンクとTBを頂きました。大変参考になる指摘があったので,当方なりに考察してみました。 インフォームド・コンセントと日 - 経済学101 インフォームド・コンセントが問題となるのは、患者と医師との間に情報の非対称があるからだが、情報の非対称による最大の問題は患者と医師の利害対立(プリンシパル・エージェント関係)であってパターナリズムではない。 患者さんにとって問題なのは知らないところで不利益を受けることである,という指摘です。この考えに立てば,そうした不利益を被る懸念がさほどない場合は別に全てを知らされなくても構わない,ということになり,説明に要するコストを考えたらこれはこれで合理的ではあります。 ではなぜ、日ではインフォームド・コンセントがパターナリズムの問題として捉えられるのか。それは上に説明した情報の非対称に由来する問題がもとから軽微であるためだと考えられる。

    パターナリズムと日本 - Dr.Poohの日記
  • 自己決定とパターナリズムのあいだ - Dr.Poohの日記

    総合診療誌JIM1月号に掲載されていた内田樹氏と岩田健太郎氏の対談を読みました。冒頭から「インフォームド・コンセントはダメである」と断言してしまうあたり,医学雑誌としてはかなり刺激的です。内田氏によればインフォームド・コンセントという概念そのものがきわめてアメリカ的であって,日では受け入れられるのかどうか疑問を呈しています。 僕には,どちらかというと,医師と患者のあいだには知の非対称性があったほうがいいと思っているんです。自分の状態については医師のほうがよく知っているのだから,「この人にすべて委ねよう」と思ったほうが治療のパフォーマンスは上がる。たぶん日人の大多数はそうだと思うんです。文化論的に言っても,外部に権威があって,それに対して自分は無防備で受け身の状態にいるほうが,日人は心理的にも安定するんです。 学ぶ力と癒す力: JIM vol.20 No.1 2010-1 p60 この

    自己決定とパターナリズムのあいだ - Dr.Poohの日記
  • 年金破綻論争 - Dr.Poohの日記

    少し前に週刊東洋経済の年金特集のなかで批判された鈴木亘氏がご自身のブログで反論を行っています。同誌上での反論は拒否されたのは残念ですが,こうして公開の場で議論が行われるのは有益なことだと思います。 週刊東洋経済への反論1 「未納の増加で年金は破綻しない」(上) 週刊東洋経済への反論1 「未納の増加で年金は破綻しない」(下) 反論の内容については,なるほどと思うところと違和感を感じるところが両方あります。厚労省あるいは社会保障国民会議によるシミュレーションはその計算の詳細が公表されていず恣意的である可能性が高いし,厚労省にとっては年金財政という省益を守るために恣意的な結果を導く動機がある,という指摘については,個人的には分野は違いますが要介護認定判定の件があるので一部同意せざるをえません。恣意的なシミュレーションが行われている可能性にを否定するためには,ロジックを公開して専門家の監視対象にす

    年金破綻論争 - Dr.Poohの日記
  • 財務官僚から見たインフルエンザ問題 - Dr.Poohの日記

    新型インフル、予算面で新しい措置講じなくても対応可=杉財務次官 - ロイター 杉次官は、新型インフルエンザ対策について、1)抗ウイルス薬「タミフル」「リレンザ」は十分な備蓄を確保、2)十分な医療体制も整備、3)仮にワクチンを製造する必要が出てきたとしても、2009年度当初予算と補正予算で対応可能──などとして「現在のところ、特に予算面で新しい措置を講じなくても対応が可能だ」との認識を示した。 一方、新型インフルエンザが日経済に与える影響については、海外旅行の減少や海外経済の落ち込みによる輸出の減少、医療費の増加などを挙げ「今後も注意深く見守っていきたい」と語った。 財務省官僚としては医療や公衆衛生は管轄ではありませんから,あくまで財政政策における問題の一つという文脈なんでしょう。そう考えると国民の健康より先に財政への負担を心配するのも無理もありません。 とはいえ「十分な医療体制も整備

    財務官僚から見たインフルエンザ問題 - Dr.Poohの日記
  • 善意による医学の否定 - Dr.Poohの日記

    数年来糖尿病で通院治療していた患者さんがある時から受診に来なくなりました。約1年経ってから口の渇きを自覚して来院されたのですが,その間はどこの医療機関も受診していなかったとのことで,当然糖尿病は悪化していました。不可解に思って事情を聞いたのですが,どうもはっきりしません。よく話を伺ってみると,某健康品を「糖尿病に効く」と勧められて服用してたらしいのです。しかもどうやらほとんどネズミ講に近い販売手法のようで,一人暮らしの患者さんのところで何かと身の回りの世話をしてくれ,強く勧められたのを断り切れなかったとのことです。 健康品に関しては治療の妨げにならなければ禁止はしないが,明らかに効果がないようだし,高額な料金を考えると見合わないのでは?という説明をして,そのときは治療を再開すると約束して頂いたのですが,数回受診したあたりでまた受診が途切れました。自宅に何度か連絡しても口を濁して結局その

    善意による医学の否定 - Dr.Poohの日記
  • 1