2006年6月16日のブックマーク (33件)

  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 ここで、話を井上さんに戻しますね。改めて訊くのも変なんですけど(笑)、井上さんの代表作は、どれになるのでしょうか。 井上 いや、あんまり何かを達成した感じはないね。いつも何か足りないと思っている。だからやり続けているんだ。 小黒 例えば、『攻殻機動隊』なんかはどうですか(注31)。 井上 あの時は、非常に調子も悪かったし、スケジュールも短かったので、実は、あんまり意欲的にはできなかった。巧くいったのは、潜水シーンのアブクぐらいかなあ……。 小黒 (笑)。じゃあ、『AKIRA』はどうですか。担当なさったのは、冒頭のバイクシーンですよね。 井上 ゲリラが催涙弾を浴びるよね。それが終わって、鉄雄をフォローで撮っている場面から俺なんだよ。 小黒 ああ、じゃあ、その後、鉄雄を追いかけてきたバイクが爆発したりするあたりも……。 井上 そこも、俺だよ。それで、ヘリが飛んできて鉄雄を連れて行くところ

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    自分が描きたいのは画じゃなくて、アニメ。勿論、画を描く事も好きだけれど、それは動きを描くための手段。
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 ここで、フル3コマという事をもう少し、このインタビューを読んでいる人達にも分かり易くしたいんですけれど、3コマの動きを、中割りなしで、全部原画で描くという事ですよね。そうやると、中割りのある2コマよりも、1秒当たりの原画の枚数は多くなる。 井上 そうだね。動きの密度という点で言うと、多分、最高のものだろうね。2コマで中割りなし、というのは、ちょっと動きをコントロールしにくいし、それで描ける動きは、フル3コマとそんなに差がない。1コマフルという事も原理的には考えられるけれども、それは実際には、自分で自分の原画の中を割るだけの作業になってしまうだろうから、意味がないし、そもそもそんなにたくさん描けないし、スケジュールもない。だから、3コマおきに、全部画をコントロールすれば、ほぼ、描きたい動きの全てが描けるだろうね。 小黒 少なくとも、現状イメージできる最高の方法として、フル3コマがあるわ

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    磯光雄氏のフル3コマ論
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 うつのみやさんは、具体的にはどう巧かったんですか? 井上 画を動かすという事に関して、当に才能があった。端から見ていると、なんの苦労もなく、画にする事ができるんだ。まず普通なら「どんな動きにしようか」と試行錯誤したり、1枚1枚の画に苦しんだり、あるいは描いてみてから、タイミングが違うとか、描くべき画じゃなかったとか気づくんだけど、そういう事がない。描き始める前にほぼ全部掴んでるような描き方をする。淀みなく描くんだよ。しかも描かれた動きは鮮やか。「この画がまずかった」と消して直すような事もない。で、早く仕上がるかっていうと、そうでもなくて、俺と同じか、むしろ遅いぐらいで。それはなぜかというと、描いてから、もっと面白い事を思いつくと、それまでに描いたものを捨てちゃうんだ。 当に才能がある人は、そんな芸当ができるのか、と思い知ったね。それまで、身近にそんな描き方をする人はいなかった。「

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    「アニメ的なタイミング」とは違う、人間の生っぽい芝居を描きたいと思うようになった
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    井上 ああ、もう時効でしょう(苦笑)。表向きはキャラデザインは社長(香西隆男)の名前になっているんだけど、実は、俺と梶島がやっているんだよね。 当時、社長は忙しくてね。それで、社長から『ガンモ』の原作を渡されて、「これからキャラ表にできるような表情を拾って、スケッチしておいてくれ」と頼まれたんだよ。それで、3日ぐらいで、「半平太は俺がやるから、つくねは梶島」みたいな感じで手分けして、メインキャラクターの表情とポーズのスケッチ集を作ったんだ。こちらは当然、社長が清書するもんだと思っていたんだよ。ところが、しばらく経ったら、社長に渡したスケッチ集が、そのままキャラ表になって戻ってきた。 小黒 ラフなまま? 井上 うん、そのまま。無茶苦茶だよね。まあ、ちゃんとお金は貰えたからいいけど。いや、そういう問題じゃないか(笑)。「東映の人に見せたら評判がよかったから」って社長は言い訳していたけど、ひょ

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    どのカットも取りこぼしたくないという意識に満ちていた。何より、一番大事なね、執着心みたいなものが欠けてた。それが分かったんだよね。
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    井上俊之は、デビュー当時の『GU‐GUガンモ』で業界の注目を集め、以来、 『AKIRA』、『MEMORIES』、『GHOST IN THE  SHELL』、『人狼』、『BLOOD THE LAST VAMPIRE』、『千年女優』と、次々と話題作に参加し、素晴らしい仕事を残してきた。その作画の質の高さ、仕事の確実さから、「パーフェクトなアニメーター」とまで言われている。 キャラクターデザイナーや作画監督になるよりも、むしろ、1人の原画マンとして「動き」を追究していきたいと考えているのだそうだ。現在は、より人間の動作を忠実に再現した、リアルな芝居を描く事を目標にしている。 また、彼のアニメに対する愛情と造詣は、大変に深く、後進に対する指導にも力を注いでいる。「animator interview」第2回では、そんな彼の足跡と、作画に対する考えについてうかがう事にしよう。 2000年12月5日

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    (友永和秀氏からは)凄い作画をするんだっていう熱意が画面から滲み出ていてね。今でも、心の師匠と言うか、ずっと追い求めている人ではあり続けている。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN アニメ様の七転八倒 第55回 エヴァ雑記「第弐拾弐話 せめて、人間らしく」

    エヴァ』の次回予告と云えば、ミサトの「この次も、サービスサービスゥ!」のフレーズが印象的だが、実はこのフレーズが使われているのはシリーズ中盤までだ。OAフォーマット版では第拾六話についた第拾七話の予告が、ビデオフォーマット版では第拾七話についた第拾八話の予告が最後だ。TV番組が視聴者にサービスをするのが当たり前だというスタンスならば、わざわざ「サービス」とは云わないだろう。「サービス」と云っているのは「来週もサービスするけれど、その次は分からないよ」という意味でもある。第弐拾壱話に始まる第4部や、ラスト2の予告では一度も「サービス!」とは云っていない。物語がよりハードになり、もはや、サービスをやっている場合ではなくなっているのだ。観ている側としても、この第弐拾弐話や、レイが爆死する第弐拾参話を「サービス!」と云われても困るだろう。 「第弐拾弐話 せめて、人間らしく」では「人形」がモチー

  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 振り返って見ると「動き」に関して、違ったテイストを狙った『ロボットカーニバル』(注15)は当然として、『AKIRA』の時にすでに、ガチガチのリアルだけじゃないテイストがチラリと見えていますよね。 なかむら 見えているとすれば、すでに『AKIRA』においても、そういう動かし方は作品の方向とは異質な感じだったかもしれない。 小黒 ちょっと柔らかい感じの動きとか。 なかむら ああいうのは好きなんだよね。今、大友さんが『スチームボーイ』という作品を作っているじゃない。作品世界そのものや、アニメートのムードみたいなのが、非常によさそうだなって思うよ。 小黒 なるほど。 なかむら やっぱり、俺は基的にそっちの傾向になるね。どうしても。 小黒 さっきのアニメートする事の目的の話に、ちょっと戻りますけど「物語を表現するための動き」と「気持ちのよい動き」は違うと思うんですよ。 なかむら うん。 小黒

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    「動きの気持ちのよさ」、もしくは「動きのみによって創られるアート」は創る側は情熱や職人意識で作り続ける事はできても、観る側にとっては瞬間的な感覚。単純に動かして喜びを得ようと思っても現実的には難しい
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 ちょっと話を戻しますね。『幻魔大戦』についてうかがいたいんですけど。マッドハウスや、りんたろうさんとのお仕事は、あれが初めてですよね。 なかむら 以前から、りんさんの作品に関わってみたいと思っていました。りんさんの表現のスタイルが面白かったんです。それと、俺が、16~17歳の頃に、大友(克洋)さんの漫画を見たんです。青年誌に載っていたものを。その時から、大友さんの漫画に惹かれて、キャラクターが大友さんなら、これは是非やってみたいと思ったんです。あの頃も、作品全体の事よりも、絵コンテがどれくらい魅力あるカットを作ってあるかが重要だった。 小黒 魅力あるカット? なかむら 全体の流れじゃなくて、そのカットカットが「これ、面白そう」って思わせるようなコンテに惹かれていたような気がする。だから、りんさんの絵コンテ見た時に「やりたいところは、ここと、ここだ」って、先に自分で思っちゃったぐらい。

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    宮崎作品は、基本的には統一された動きでなければならない。だから、宮崎さんと仕事をする時には、勉強のために関わりたいと思って参加する。一方、りんさんの作品では、アニメーターとしての技術を思う存分出せる。
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 『ライタン』の頃、なかむらさんが目指していたものは、リアリティなんですか、リアル感なんですか。 なかむら リアル…………。いや、当に「リアル」という事を、ずっと言われ続けたような気がする。リアリティ、リアリズム、物らしく動かすってね。今、アニメでリアルな作品というと、世界観も人物も演出の見せ方も写実的な表現をしているものを言うんだろうけれど。アニメがいつでもそれを求められるのは、アニメにある漫画的な通俗性と、その絵空事の空間や世界観を、少しでも観る側に、当のように感じさせるためで、それが崩れると、キャラクターの存在や演出の意味が、全くなくなるわけです。それは分かっている事なんだけれど、やっかいなのは、アニメートという技術に関してだけでも、極端な事を言えば、作品が変わると世界観やキャラクターのデザインが変化し、物らしさの表現の仕方がガラリと変わるわけです。 小黒 作品によって、

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    アニメのリアリズム論。とどのつまり、説得力のある演出があって、その世界観が伝わらないと、アニメーターはただ動いているだけの奇怪なでくの坊を生み出しているだけなのかもしれない。
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 『宇宙魔神ダイケンゴー』も、おやりじゃないですか? なかむら そういったメカものと呼ばれる作品を、小さなプロダクションが製作していた時代ですね。覚えています。志はあるのに、やっている仕事や、自分のアニメーターとしての、なんとなく先の見えない気分にとらわれていたような……。その中でもなんとかやりたい事を見つけようとしてました。 小黒 確かオープニングで、1コマで、敵のメカを壊したりしていましたよね。 なかむら 全然覚えてない(苦笑)。 小黒 オープニングをやったのは間違いないんですね。 なかむら それは覚えてる。 小黒 『ダイケンゴー』は、編もやってます? なかむら やってない、と思うんだけど。俺がアニメルームにいた頃に、金田(伊功)さんの存在を知ったんです(注6)。劇場『(銀河鉄道)999』を観て、「うわあ、すげえ」と思ったのを覚えてます。あの爆発のインパクトは強烈だった。 小黒 

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    俺が岩を動かす原点は『ホルス』だね。
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    なかむらたかしの登場は、衝撃的だった。 『Gライタン』や『幻魔大戦』といった作品での彼のアニメートには、それまで一度も見た事がなかったような圧倒的な迫力と、リアルさがあった。素晴らしい「動き」の魅力に満ちていた。 フルアニメ的にふんだんに枚数を使い、それと同時に日のアニメならではのタイミングを持った、新しいスタイルのアニメーションだった。常にアニメート(animate=動かす)する事にこだわり、その魅力を追究した作品を発表している彼。その独自のアニメーションの秘密を探ってみよう。 2000年11月11日 東京・荻窪 取材・構成/小黒祐一郎 1955年生。山梨県出身。アニメーター・演出家。タツノコプロから、アニメルーム等を経て、現在はパルム所属。『幻魔大戦』『Gライタン』『未来警察ウラシマン』『迷宮物語』等で見せた緻密かつ高密度のアニメートは、多くのファンやアニメーター達に衝撃を与えた。他

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    子供の頃に観たアニメが、自分にとっての「本物」なんだという気がする。それが自分がアニメーションを作る動機の、ひとつの拠り所というのか、原動力になっている。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN アニメ様の七転八倒 第54回 エヴァ雑記「第弐拾壱話 ネルフ、誕生」

    ネルフと碇指令は、英国の特撮TVドラマ「謎の円盤UFO」に登場したSHADOとストレイカー最高司令官のイメージが反映されている。「謎の円盤UFO」には「シャドーはこうして生まれた」という話があり、それはストレイカー司令官の回想のかたちでSHADO設立の頃が語られたエピソードだ。「第弐拾壱話 ネルフ、誕生」は、いわば「シャドーはこうして生まれた」に相当する話だ。 ここから『エヴァ』は第4部に突入。よりハードな、そして、キャラクターの内面に入り込んだドラマが展開される。第弐拾壱話では、現在と交錯するかたちでゲンドウ、冬月、ユイ、赤木ナオコ、そして、ミサトやリツコの過去が描かれる。描かれているのは「情念」であり「生々しさ」なのだが、筆致はひどくクール。そのギャップがよい。第伍話、第拾伍話に続く、薩川昭夫、甚目喜一、鈴木俊二トリオが手がけたエピソード。恐らく薩川さんの持ち味が、最も色濃く出た話であ

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    薩川昭夫、甚目喜一、鈴木俊二トリオ。オンエア版ではユイが具体的に描写されているは、たったの2シーン。第弐拾壱話のコンテは、キャラクターの心情を想像するのが愉しかった(甚目喜一)
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    『新世紀エヴァンゲリオン』という作品は、身体に関する意識が希薄である。第弐拾話ではシンジが肉体を喪って魂だけの存在となるが、人が現実世界に戻る事を望んだ事により、簡単に肉体が再生されてしまう。EVAの操縦に関しても問題になるのは、EVAとパイロットのシンクロのみであり、運動神経や筋力、銃器の扱いに関する技術が求められる事は殆どなかった。シンジ達がEVAに乗るために肉体を使ってトレーニングをするシーンは一度もない。肉体はあまり重要視されないのだ。この話でミサト、アスカ、レイがシンジの上に乗った性的なイメージがあり、彼女達はシンジに対して「心も体もひとつになりたくない?」と問う。僕達はこれをストレートにセックスに結びつけて考えてしまうが、後に「第26話 まごころを、君に」で、実際に「身も心もひとつになる」というのが、どういったものなのかが描かれる。『エヴァ』世界に於いて「身も心もひとつになる

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    口唇期とはフロイトのリビドー発達論における、最初の発達段階。口が悦びの主要な源泉となる時期である。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    「第拾九話 男の戰い」は第3部の最終エピソード。第壱話から続いたシンジの物語を一段落させる話だと云われている。絵コンテ・演出が摩砂雪、作画監督は田雄。原画陣にもアクションアニメーターが大挙して参加。第八話以来の社内チーム総力戦である。たっぷりとメカアクションを展開する次の総力戦は「第25話 Air」まで待たねばならない。 第拾九話を、燃える話だと云う人達がいる。確かにシンジが積極的に戦う話であり、戦闘シーンも見応えがある。血湧き肉躍る展開であるのは間違いない。だけど、当に燃える話なのだろうか。冒頭で、ゲンドウが自分にトウジを殺させようとしていた事を知ったシンジは怒りを露わにし、ゲンドウを詰問する。マヤが碇指令の判断が正しかったと云っても「そんなの、関係ないって云ってるでしょ!」とシンジは返す。この台詞が印象的だ。まるで幼児の様な言い回しなのだ。興奮の余り、精神が退行しているのだろう。シ

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    劇中で、誰かが肉を食べる描写には何か意味がある
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    船が難破した際に、2人の男が1枚の板を使って難を逃れようとした。だが、2人がつかまったら板は沈んでしまう。こういった場合、1人の男が板を独り占めして、もう1人を死なせてしまっても罪にはならない。これは古代の哲学者カルネアデスが提唱したといわれる倫理についての問題で「カルネアデスの舟板」と呼ばれている。星野之宣のマンガに「カルネアデス計画」という作品があり、庵野監督の『トップをねらえ!』では最終話の作戦名を、その星野作品から引用している。僕が構成・執筆した「トップをねらえ! なるほど大百科」(CD「トップをねらえ!響綜覧」の付録解説書)では、「カルネアデスの舟板」について「この考え方は庵野監督の思想の根底に流れているもの。氏の全ての作品の根底に流れている」と書かれている。この項について執筆した時の具体的な記憶はないが、いくらなんでも僕が自分の判断で「氏の全ての作品の根底に流れている」と断定は

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    「カルネアデスの舟板」
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    この話の前半でゲンドウがレイに「学校はどうだ?」と尋ねると、彼女は「問題有りません」と答える。放映時に『エヴァ』のスタッフの1人が、このやり取りについて「ゲンドウは、あんな風に答えてもらいたくはなかったんだろうね」と云っていた。ゲンドウは「この前、こんな事があったの」といった女の子らしい返事を期待して「学校はどうだ?」と訊いたのだけれど、彼女はいつもの様に事務的に答えてしまった。ゲンドウは、ユイと似たこの少女に思い入れがあるようだから、確かにそんな事を考えてもおかしくはないだろう。今回改めて観返してみて「ああ、確かにそうなんだろうなあ」と感じた。放送から10年経ち、僕自身の年齢もゲンドウに近づいた。少しはゲンドウの気持ちが分かるようになったのだろう。勿論、それも妄想かもしれないが。 第拾七話から第拾九話は「フォースチルドレン三部作」と呼ばれる連作である。第拾七話と第拾八話は樋口真嗣が脚

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    トウジは運動は得意ではなく、むしろ、スポーツ音痴であるという設定だそうだ。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    Bパート頭、リツコが第12使徒について説明するシーンで、彼女の背後のホワイトボードに「ストリングスが存在し、動き回る空間」「ストリングスが動く次元」等と書かれている。ストリングスとは紐の事であり、リツコは超ひも理論を使って第12使徒について考えていたのだろう。LD解説書で、この辺りの話数の作業をしている頃、僕は同時に『機動戦艦ナデシコ』の『ゲキガンガー3』の設定作りをやっており、そろそろ敵宇宙人の設定を決めなくてはいけなかった。最新の科学の話題を設定に採り入れると、70年代のロボットアニメらしくなるに違いない。この話数の解説を書く為に「超ひも理論」のを読んでいたので「これだ!」と思い、それをヒントに名前を付けた。『ゲキガンガー3』の敵であるキョアック星人が「暗黒ヒモ宇宙」から来る事になったのは、実はリツコが描いたホワイトボードの文字がきっかけになっているのだ。ヒモ宇宙の前に「暗黒」を付け

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    自分の喜びに耽溺する人達への疑問が、TVシリーズ放映終了後のマスコミでの庵野監督によるオタク批判に繋がり、「第26話 まごころを、君に」の実写シーンに集約されていく。
  • アニメ様の七転八倒:第48回 エヴァ雑記「第拾伍話 嘘と沈黙」

    この話から『新世紀エヴァンゲリオン』は、より濃密にドラマを描く、第3部に突入する。「第拾伍話 嘘と沈黙」はキャラクターのドラマが中心であり、EVAが1カットも登場しないエピソードだ。脚/薩川昭夫、絵コンテ/甚目喜一、作画監督/鈴木俊二のトリオが手がけた2目のエピソードであり、今回も大人びたムードが魅力となっている。シンジの墓参り、シンジとアスカのキス等もあるが、力が入っているのはミサト達の描写だ。第拾四話に付いたこの話の予告も、ミサトの事のみを話題にしており、シンジの事は一言も触れていない。また、この話の30秒オリジナルバージョンの予告は、作り手のミサトへの想いが炸裂した傑作だ。 明日はミサト達の友人結婚式である。彼女達の大学時代の友人に違いない。式に何を着ていくかについての、ミサトとリツコのやり取りも何やらリアルだ。「けっ、三十路前だからって、どいつもこいつも焦りやがって」とミサト

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    脚本/薩川昭夫、絵コンテ/甚目喜一、作画監督/鈴木俊二のトリオが手がけた2本目のエピソード
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    「第拾四話 ゼーレ、魂の座」には痺れた。特にAパートの演出の切れ味のよさ、行き詰まる緊張感に圧倒された。『エヴァ』のスタイリッシュさが極まったフイルムである。東京地方では1月3日の午前8時というイレギュラーな時間に放映された第拾四話。その英文サブタイトルは「紡がれる物語」という意味の「WEAVING A STORY」。つまり、それまでの映像を紡いで作った総集編的な意味合いのフィルムである。総集編と云っても、フィルムデュープは殆どなく、大半のカットに於いて撮影をやり直している。例えばセル画を抜いて背景だけ使用したカット等もあり、また、数は少ないが新作画も行われている。 Aパートは、ゼーレとゲンドウが、今までのEVAと使徒の戦闘を振り返る内容だ。BGMは一切使っておらず、台詞も極端に少ない。その音の少なさと、極太明朝体のテロップの多用が緊張感を生み出す。「分かっています。全てはゼーレのシナリオ

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    僕が、磯光雄の名前を覚えたのは『ゲゲゲの鬼太郎[第3シリーズ]』だった。その後『MOBILE SUIT GUNDAM 0080 ポケットの中の戦争』で、度肝を抜かれる事になる。この『新世紀エヴァンゲリオン』も彼の代表作のひとつだ。兎に角、磯さんの仕事は強烈だ。リアリティも、動きから生じる快楽も桁違い。そして、何よりも独自性が強い。彼も既存の様々なアニメーションの影響を受けているはずだが、そのスタイルは今までのアニメ作画と別のところから発生したかと思うくらい、オリジナリティが強い。カリスマ・井上俊之を以てして「描き方がそれまで知っていたどの描き方とも違ってた」と言わしめる程だ。ご人はメカアニメーターとして分類されるのは迷惑かも知れないが、金田伊功、板野一郎、庵野秀明と進化してきたメカアニメーター歴史で、次のエポックとなったのが彼だ。 『新世紀エヴァンゲリオン』では第壱話、第拾九話、第25

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    磯光雄、第壱話、第拾九話、第25話、そして、第21話(第弐拾壱話のビデオフォーマット版での追加シーン)で原画、第拾伍話で設定補で参加。この第拾参話では脚本と設定補を担当した。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    Bパートは「え~、手で受け止める?」というアスカの台詞から始まる。大気圏外から落下していく最大の使徒をEVA初号機、弐号機、零号機で受け止めるのが、ミサトが立てた作戦なのだ。実はEVA三体が一緒に使徒と戦ったエピソードは多くない。この話以外では第拾壱話、第拾六話、第拾八話、第拾九話だけだ。 前回も書いたが、第2部「アクション編」ではコンビネーションで作戦を成功させる話が殆どだ。第八話ではアスカとシンジが協力して戦闘をし、第九話ではそれを一歩進めて2体のEVAの完全なユニゾンで使徒に挑んだ。第拾話ではアスカのピンチをシンジが助け、第拾壱話はアスカがその借りを返す。また第拾壱話は初号機、零号機、弐号機による初の連繋プレイであった。第拾弐話はその発展形である。3人が力を合わせて成功不可能と思われる作戦に挑む。 「手で」は庵野監督がよく使う台詞で、第七話でJ.A.を止める方法を問われたミサトは「人

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    愛し合う時も、傷つける時も、人間にとって他者や外部と接触する道具となるのが「手」なのだ。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    「第拾壱話 静止した闇の中で」は、第3新東京市の大停電を背景にしたユーモラスな部分の多いエピソード。ネルフメンバーの洗濯、通勤という日常的な描写もあり、オペレーター3人組もちょっと存在感を出している。マヤの「不潔……」の台詞もこの回だ。部へ向かうシンジ、アスカ、レイの3人の凸凹トリオぶりも愉しい。勿論、最大の笑いどころはAパート最後だ。リツコとマヤは停電で生じた暑さを団扇でしのぎ、そして、ゲンドウと冬月は? リツコ達からは見えないが、彼等は水の入ったバケツに足を入れて涼んでいたのだ。「ぬるいな」「ああ」。ゲンドウと冬月を使った唯一のギャグである。シリーズを最後まで観て、人類補完計画を進めるゲンドウの真意や冬月との関係等を知ってから、この場面を再見すると、また味わい深い。 原画はスタジオジブリが担当。劇中に登場する市議選立候補者の高橋覗は、当時のジブリプロデューサー、高橋望を捩ったネーミン

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    『ゲキガンガー3』の仕事をやっている頃、スタッフ間で「カルタプロット」という言葉が使われていた。昔の子供向け番組にあった物語のパターンの事だ。まず、話の前半で視聴者に印象づけるような何かがあり、それをきっかけにして、後半で戦いに勝利するというものだ。きっかけになるものは、ロボットアニメなら戦闘と関係ないものの方が効果的だ。例えば、TV番組にヨーヨー名人が登場し、主人公達がその技に感心する。そして、強敵が現れて主人公達が苦戦。どうすればこの危機を乗り越えられるのか。「そうだ。あれだ! ヨーヨーだ!」。主人公側の登場人物の1人が、ヨーヨーにヒントを得た必殺技を考案し、逆転勝利する。著書「TVアニメ青春記」(実業之日社)でも話題にされているが、ベテラン脚家の辻真先は『勇者ライディーン』で「1月1週目に放映される話なので、季節感のある話を」とオーダーされて、カルタをヒントにして主人公が勝つ話を

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    カルタプロット、男
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    その活躍に時間制限があるヒーローと云えば、ウルトラマンが代表選手だ。彼は地球上では3分しか戦えないと云われているが、子供の頃にTVを観ながら「あれ、もう3分以上戦っているんじゃないの?」と何度か思った(ただし、特撮に詳しい人に訊いたところ、「ウルトラマン」の編中では「3分」と明言はしていないのだそうだ。「3分」は怪獣図鑑等でファンに広まった設定なのだろう)。この第九話は劇中での62秒の戦闘シーンを、実際に62秒で描いたエピソードだ。大袈裟な言い方になるが、これを観て、子供時代に「ウルトラマン」に抱いていた不満を解消できた気がした。また、この話には第5使徒の解体が進められているカットがあり、他にも『エヴァ』のシリーズ初期には同様の描写が何度かある。それも子供の頃に感じた「倒された怪獣の死体はどうなるんだ?」という疑問を解消してくれるものだった。そういった部分があるため、『エヴァ』には特撮ヒ

  • WEBアニメスタイル_COLUMN アニメ様の七転八倒 第41回 エヴァ雑記「第八話 アスカ、来日」

    「第七話 人の造りしもの」で、シンジの物語の始まりを描く「プロローグ編」が終了。第八話から各話完結で使徒との戦闘を描く、第2部「アクション編」に突入する。この話から、加持リョウジと惣流・アスカ・ラングレーがレギュラー入り。これで主要登場人物が、ほぼ全て揃った事になる。積極的な性格のアスカは物語を掻き回し、作品に活気を与えてくれる。 第八話と第九話の絵コンテは、GAINAX作品でもお馴染みの樋口真嗣が担当。「ガメラ 大怪獣空中決戦」等で知られる特技監督だ。この2では彼の陽性のセンスが炸裂。娯楽性の高いエピソードとなっている。『エヴァ』メインスタッフは『ふしぎの海のナディア』で彼が担当したシリーズになぞらえて、この2を「島編」と呼んでいたのだ。第八話は樋口コンテに加えて、作監が田雄、演出が鶴巻和哉。原画陣も総力戦。アクションもキャラの表情もバッチリの“夢アニメ”である。ちなみに企画書や絵

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    「え、碇ってあんな美人に保護されているの?」という男子生徒の台詞を聞いて、『フリクリ』みたいな言い回しだなと思った。勿論、作品が発表された順番は逆だ。「第七話 人の造りしもの」は、脚の榎戸洋司の持ち味が出たエピソードなのだろう。コンテを担当している事もあり、庵野監督のカラーもギンギンに出ている。「人はエヴァのみにて生きるにあらず」「事実は往々にして隠蔽されるものなのよ」「多分帰りは遅いから、なんかデバって」「極秘情報がダダ漏れね」「奇跡を待つより捨て身の努力よ」「人間の手で、直接」「♪ブラとパンツはどこかいな」「それって、家族じゃないか」と硬軟共に印象的な台詞が多い。 シリーズを通して見れば大筋から外れた話だが、物語だけでなく、映像も丁寧に作り込まれており、観ていて気持ちがいい。ゲストメカであるJ.A.(ジェット・アローン)はその名前が特撮映画のキャラクターに由来しているだけあって、登場

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    「第七話 人の造りしもの」は、脚本の榎戸洋司の持ち味が出たエピソードなのだろう。コンテを担当している事もあり、庵野監督のカラーもギンギンに出ている。
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    第5の使徒がネルフ部に攻撃を仕掛けた。加粒子砲で接近した敵を破壊するこの使徒には、EVAによる接近戦闘ができない。即ち、A.T.フィールドの中和が不可能なのだ。そこで、ミサトは長々距離からEVA専用改造陽電子砲(ポジトロンスナイパーライフル)で狙撃し、A.T.フィールドごと使徒のコアを打ち抜く作戦を立案。彼女は「屋島の戦い」で那須与一が馬上から船上の扇を弓で射貫いた伝承に因んで、この作戦を命名した。ネルフの総力を結集した「ヤシマ作戦」である。 第六話は一転して戦闘中心のエピソード。それも剛速球ストレートだ。登場するメカの物量も圧倒的。テロップを多用し、実録戦争映画風にまとめており、ミリタリー色が強い。こってりした画面作りとテンションの高さは、摩砂雪副監督の手による絵コンテの力だ。放映時にワクワクしながら観たのを覚えている。作戦のために日中の電力を集めるという大胆なアイディアはいかにも

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    こってりした画面作りとテンションの高さは、摩砂雪副監督の手による絵コンテの力 / テロップの多用は(庵野秀明氏が)敬愛する岡本喜八監督作品へのオマージュ
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    服を着る場面でレイはブラジャーのホックを前で止めて、ぐるっと回して肩紐をかける。僕はLD解説書でこれを「一般的にいうと、これはあまりよくないブラの付け方」と書いた。当時もその原稿を書くに当たって、それなりにブラの付け方について調べた。『エヴァ』の仕事をすると、オカルトや心理学の勉強だけでなく、女性の下着についても調べなくてはならないのだ。断定するべきではないようだったので、LDでも「間違った付け方だ」とは書かなかった。今回『エヴァ』についてまとめ直すにあたって、改めて周りの女性に訊いたところ、「そういう付け方をいる人も結構いますよ」と云われてしまった。別の女性には「中学生だったら、そんなに胸は大きくないから、ああいう付け方をしてもおかしくないかも」と云われた。余談だが、知人の中に中学生の時に『エヴァ』を観て、ブラを回す付け方を覚えたという女の子がいて、笑ってしまった。たとえば、下着専門店の

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    脚本/薩川昭夫、絵コンテ/甚目喜一、作画監督/鈴木俊二のトリオが手がけた1本目のエピソード
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    第参話の戦闘の事でミサトと対立したシンジは、それをきっかけにしてミサトのマンションを出てしまう。だが、彼はどこか遠くに行くわけでもなく、第3新東京市の周囲を歩き回る。まるでミサトに迎えてもらうのを待つように。「第四話 雨、逃げ出した後」は、「第参話 鳴らない、電話」の後日談であり、TVシリーズで唯一、庵野監督が脚の役職でクレジットされていないエピソードだ。元々第参話は、シリーズ構成では「初めての、TEL」というタイトルで、戦いの後でトウジとケンスケから電話がかかってくる話だった。「EVA友の会」に掲載された薩川昭夫の取材記事に依れば、当初の脚ではトウジとケンスケがエントリープラグに入り、そして、戦闘終了。シンジ、トウジとケンスケがそれぞれ別の部屋で怒られて、廊下に出たところで顔を合わせて笑い出す。つまり、第参話の段階でシンジはトウジとケンスケと友情を結ぶはずだった。ところが絵コンテを進

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    後から作る事が決まった第四話には、(庵野秀明氏は)ほとんど関わっておらず、薩川昭夫がプロットから決定稿まで書いている
  • WEBアニメスタイル_COLUMN アニメ様の七転八倒 第36回 エヴァ雑記「第参話 鳴らない、電話」

    第弐話に付いた第参話の予告も手厳しい。「新たな生活を、状況に流されるまま送るシンジに、友人が生まれるはずもなかった。だが、EVAのパイロットである事実は、彼を人気者にする。次回、鳴らない、電話。この次もサービスしちゃうわよ」。実際には、状況に流されていても友達ができる事はあるだろうが、敢えて「友人が生まれるはずもなかった」と云いきってしまうあたりが『エヴァ』の『エヴァ』たる由縁だ。 「第参話 鳴らない、電話」からシンジは新しい学校に通い始める。ここで鈴原トウジ、相田ケンスケ、委員長こと洞木ヒカリが初登場。普通の学園生活の描写があるためか、トウジとケンスケのキャラクター性ゆえか、第参話はどこか穏やかな空気が流れるエピソードだ。第壱話と第弐話の熱さに対して、平熱感覚が心地よい。第壱話と第弐話で戦闘が夜に行われたのに対して、第参話では青天の下で使徒と闘っている。それも第参話の爽やかな印象に寄与し

    Youth-K
    Youth-K 2006/06/16
    「ヤマアラシのジレンマ」は薩川昭夫が、脚本段階で入れた
  • WEBアニメスタイル_COLUMN アニメ様の七転八倒 第35回 エヴァ雑記「第弐話 見知らぬ、天井」

    第壱話と第弐話は、2で1セットの構成である。第壱話は初号機の出撃で終わっているが、第弐話はその直接的な続きではない。最初に少し初号機と第3使徒の戦闘シーンがあるものの、それはシンジの夢であり、第弐話冒頭の時点ですでに初号機は第3使徒を倒している。その戦闘はBパートで回想として見せるトリッキーな構成となっているのだ。後述するマニアックな構図や、人間描写等も含めて、エキセントリックな印象の強いエピソードである。 スタッフを見ると、第壱話と第弐話はGAINAXの総力戦である。第壱話も第弐話も絵コンテは庵野秀明監督、摩砂雪副監督の2人、演出は鶴巻和哉副監督。作画監督は第壱話が鈴木俊二、第弐話が田雄だ。鈴木俊二が貞義行のキャラクターデザインに忠実に描こうとするのに対して、田雄はアニメ的に洗練された描線で画面をまとめる。方向性こそ違えど、いずれも『エヴァ』作画のスタンダードだ。戦闘シーンの原画

  • WEBアニメスタイル_COLUMN - 第34回 エヴァ雑記「第壱話 使徒、襲来」

    『新世紀エヴァンゲリオン』については、放映開始前からのお付き合いだ。GAINAXで『逆シャア』の同人誌を作りながら庵野秀明監督が作業をするのを脇に見て、へえ、次はロボットものをやるんだ、なんて思っていた。庵野さん自身も覚えていないだろうけど、制作準備中に「小黒君、脚を書きたいなら書かせてあげるよ」と云ってもらったのだが、勿体ない事に「お手伝いはしてもいいですけれど、脚はちょっと……」とお断りしてしまった。庵野さんの作品に対する気っぷりは知っていたので、自分ではついていけないだろうと判断したのだ。事実、放映が始まり、作品のテンションがビンビンに上がっていくのを観て、ああ、脚を断ってよかったと何度も思った。脚は書かなかったけれど、結局『エヴァ』には深く関わる事になる。 最初の数話は、アフレコを見学に行った。資料に依れば「第壱話 使徒、襲来」のアフレコが行われたのが1995年3月27日

  • http://bokuen.cool.ne.jp/log/digi/note04.html