再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まり、太陽電池は激しい価格競争に入っている。このようなときこそ、太陽電池の高効率化を忘れてはならない。なぜなら、変換効率を高めることが、低システムコスト実現に役立つからだ。変換効率向上に対してどのような手法が有望で、どこまで高められるのか、解説した。 太陽電池は既に大量普及期に入っている。この時期に必要なのは性能改善ではなく、量産技術などの改善による低コスト化だ。従って太陽電池の変換効率を高める研究開発は優先度が低い。これは正しいのだろうか。 このような議論は近視眼的だ。太陽電池はいわば「面積を電力に変える」装置。例えば効率が2倍に高まれば、同じ電力を得るために必要な面積が半分に減る。これが太陽光発電システムのコスト低減にもつながる。面積が半分になれば、たとえ太陽電池自体のコストが変わらなかったとしても、太陽電池を固定する架台の数を半分にでき、輸