ワン・ビン監督[映画.com ニュース]「鉄西区」「無言歌」など変容する中国社会を映し出し、国際的に高い評価を受けるドキュメンタリー作家ワン・ビンの最新作「収容病棟」が6月28日公開する。雲南省の精神病院におよそ3カ月半密着し、鉄格子の中の患者たちのありのままの姿をとらえたワン監督に話を聞いた。 中国当局は2010年に精神病患者1億人と発表。今作の舞台となった病院では、200人以上の患者が収容されており、暴力的であったり、薬物やアルコール中毒の患者のほか、政治的な陳情行為をした人間もいる。患者たちは社会から隔絶された環境の中でも互いにいたわりあい、愛を求めている。そんな被写体の日常をワン監督独特の距離感でカメラに収め、観客を病棟の中に引き込んでいく。 2003年に北京の精神病院での取材を考えたが、許可が下りず企画は棚上げに。そして時を経て2012年、雲南省で撮影が可能となった。「10年ほど