<監修> 坂井典佑・筒井 泉 現代物理学を支えている,宇宙・素粒子・原子核・物性の各分野の理論的骨組みの多くは,20世紀初頭に誕生した量子力学によって基礎付けられているといっても過言ではありません.そして,その後の各分野の著しい発展により,最先端の研究においては量子力学の原理の理解に加え,それを十分に駆使することが必須となっています.また,量子情報に代表される新しい視点が20世紀末から登場し,量子力学の基礎研究も大きく進展してきています.そのため,大学の学部で学ぶ量子力学の内容をきちんと理解した上で,その先に広がるさらに一歩進んだ理論を修得することが求められています. そこで,こうした状況を踏まえ,主に物理学を専攻する学部・大学院の学生を対象として,「量子力学」に焦点を絞った,今までにない新しい選書を刊行することにしました. 本選書は,学部レベルの量子力学を一通り学んだ上で,量子力学を深く