「『君が代』はどういう位置を占めているのだろう」。作家の佐藤優さんが、5日付「サンケイエクスプレス」紙への寄稿のなかで、菅直人首相に対して、こんな疑問を呈している。出演者とスタッフ全員が「君が代」を斉唱するのが習わしのラジオ番組に出たとき、首相は一人だけ歌わなかったそうだ。 ▼平成11年に成立した国旗国歌法案にも、反対票を投じている。首相となった今の考えを、小欄も聞きたい。市民運動の活動家出身で、「草の根」という言葉を好む首相の、国家観を知る道しるべでもあるからだ。 ▼もっとも、菅首相は、自分に都合の悪い質問を極力避けようとしている。おとといの就任記者会見では、メディアの取材によって、「政権運営が行き詰まる」との、驚くべき発言を行っていた。 ▼ことさら小紙は目障りな存在らしい。会見で拉致問題に触れなかった首相に対して、小紙の記者が対北朝鮮政策について質(ただ)そうと挙手したものの、指名され