「(日本の緊急事態宣言は)東京オリンピックとは関係ない」(4月21日)、「我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」(5月22日)。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が東京五輪についてこう発言し、IOCの開催ありきのスタンスを示すものだと国内外から批判を浴びたのは記憶に新しい。IOCの前のめりな姿勢に違和感を覚えつつ、国内に目を移すと、政治家の問題発言や大会組織委員会の不手際もあった。開幕を目前にしてなお、すっきりしないのはなぜなのか。放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんと考えた。【大野友嘉子/デジタル報道センター】 コロナで明るみに出たIOCの実態 ――新型コロナウイルスの感染が収束しないなか、IOC幹部による人命軽視とも受け取れる発言が目立ちました。米紙ワシントン・ポストはコラムでバッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼び、コロナ禍で開催を強要していると批判しました。IOC