今年の夏、仕事が急にキャンセルになった結果、時間がぽっかりとできたので、生まれて 初めてコミケに行ってきた。同人誌というジャンルがあったのは知っていたけど、 知り合いが誰もいなかったので、僕の中の同人誌というのは、宇宙塵のような将来は 作家になる人が書く高尚なものか、エロのどちらかしか知らなかった。 30歳を過ぎて始めての体験も悪くないかと、軽い気持ちでお台場へと向かった。 初めて行った感想は、"ここに作り手として加わりたい"だった。 誰もが生き生きとしていた。売り子さんは本が売れることが本当に楽しそうだった。 買い手はこれから自分の好きな本が買える事を心待ちにしていることが顔から直ぐにわかった。 面白そうな本がいっぱいあった。業界の裏話から観光ガイド、小説や調査レポートなど どれも面白そうだった。気がつくと持ってきたお金の大半を消費していた。それほど 持ち合わせが無かったのと、出発時はそ