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白の闇 新装版/ジョゼ・サラマーゴ ¥1,890 Amazon.co.jp ジョゼ・サラマーゴ(雨沢泰訳)『白の闇〔新装版〕』(NHK出版)を読みました。 ジョゼ・サラマーゴは本についている著者略歴によると、ポルトガルの国民的作家だそうで、1998年にはノーベル文学賞を受賞しています。 それほど有名な作家であるにもかかわらず、日本での知名度はほとんどないといってよくて、唯一知られているのがこの『白の闇』でしょう。しかも『ブラインドネス』というタイトルで映画化されてようやく認知されたという状況だろうと思います。それはぼくにとってもそうです。 この翻訳が基本的には英語に訳されたものからの翻訳ということからも、ポルトガルの文学との距離を感じずにはいられません。これはこの本だけの問題ではなくて、外国文学の中でもどちらかと言えばマイナーな国の文学では、英語やフランス語など、他の言語に翻訳されたものか
2010年に読んで一番面白かった本を発表します。昨年は気の迷いで「ニナ文藝賞」などという講談社あたりが主催しそうな名前をでっち上げましたが、ちょっと悲しくなるほどださい上に、代替案も特に見つからないので、今年は単に「一番面白かった本」とします。 「好きな作家ベスト100」を挙げたときにも書いたとおり、今年は読んでいる冊数が例年に比べて遙かに少なかったものの、印象に残っている本を思い返してみるとその数は決して少なくはなく、ずいぶんと選書に恵まれた感があります。そんな良書たちの中からわざわざ一冊を決める必要などまるでないのですが、お祭り行事ということで無理をして選んでみました。 まずは最終候補に残った作品から。引用文は印象に残っているものの内、特に気に入っているものを一節だけ選び出しました。 ・ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』 「否でも応でも狂人だってやつと、自分からすき好んで狂人に
白の闇 ジョゼ・サラマーゴ著 雨沢泰訳 原因不明の視界が真っ白になる病気が、伝染病のように広がっていきます。政府の政策により、患者は隔離されます。そこでは、人間の本性がむき出しとなり・・・。 1本の長いロープのような文章に、ミルクの様な白い世界は広がります。読んでいる私も、目の前に浮かぶ情景が白濁しているように感じます。以前に映画化されたようですが、観ていません。ある日突然眼が見えなくなるショックと、見えないもどかしさ。伝染が拡大し、社会は混乱し、町は無法地帯になります。生きようともがく人、絶望から立ち直れない人、それでも協力し合い助け合う人。食料は?水は?自分たちの眼は治るのか?社会は正常な機能を取り戻せる日が来るのか?出口が見えない白い闇。 多くの事を考えさせられる内容であると共に、読みだすと止まらない面白さがありました。視界が奪われ、両手両足のとどく範囲が世界のすべてになってしまった
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