次のページ 前のページ 目次へ 4. メモリ管理 メモリ管理サブシステムは、オペレーティングシステムの最も重要な部分 のひとつである。コンピュータの黎明期以来、システム上にある物理メモリだけでは 足りない状況がずっと続いてきた。この限界を克服するために様々な戦略が立てられ たが、それらのうちで最も成功したのが、仮想メモリ(virtual memory)である。 仮想メモリとは、システムに実際以上のメモリがあるかのように見せる仕組みであり、 メモリ争奪関係にあるプロセス間で、必要に応じてそれらを協調して使用することに より実現されている。 仮想メモリは、コンピュータのメモリを大きく見せること以外にも様々な機能を 提供している。メモリ管理サブシステムが提供する機能には、次のようなものがあ る。 巨大なアドレス空間オペレーティングシステムは、システム上に実際以上のメモリがあるかのように 振る舞う
Win32は「仮想メモリ」をサポートしている。Windows上で実行されているプロセスは、実際の物理メモリの容量に関わらず、プロセスごとに4Gバイトの仮想メモリ空間が割り当てられる。 仮想メモリ空間は、ページと呼ばれる単位で管理される。x86系ならば1メモリページは4Kバイトである。システムは、プロセスの仮想メモリ空間中で、プロセスが使用しているメモリページだけを物理メモリに割り当て、未使用のメモリページは物理メモリに割り当てない。この仕組みにより、物理メモリの容量を超える仮想メモリ空間を実現することができる。 物理メモリには、RAMとページングファイルがある。システムは、RAMの容量以上の物理メモリが必要になると、RAM上のメモリページをページングファイルに退避し、RAM上に空きメモリページを作り、このページを使用する。ページングファイルに退避されたメモリページに割り当てられていた仮想メ
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