【シンガポール=吉村英輝】インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポスト(電子版)は30日付で、南シナ海の南端に位置するインドネシア領ナトゥナ諸島沖の排他的経済水域(EEZ)で密漁していた容疑で、同国海軍が中国人船員8人を逮捕し、漁船を拿捕(だほ)したと伝えた。 この海域では3月にも、インドネシアの海洋・水産省の監視船が密漁の中国漁船を摘発したが、護衛していた大型の中国監視船に曳航(えいこう)中の漁船を奪われた。今回も中国監視船の妨害を受けたが、インドネシア海軍の駆逐艦が奪還を阻止したという。 海軍は訴追する方針で、逮捕した乗員8人はナトゥナ諸島にある海軍基地で取り調べ中という。広報官は「この海域がインドネシアの司法管轄下にあると世界に示す」とし、海軍の存在感をアピールした。