漢字の「とめ・はね・はらい」や筆順について、多くの学校で細かい指導がされています。デジタル化の影響で、文字を書く機会が減っている現代。国語教育が専門の冨安慎吾・島根大准教授は「今のままの漢字学習でいいのか議論するタイミングが来ている」と話します。 「書写」と「コミュニケーション」に分裂 ――文化庁は2016年の「常用漢字表の字体・字形に関する指針」で、漢字には様々な字形があり、細かな「とめ・はね・はらい」を気にしすぎる必要はないと明記しています。指針が現場に浸透していないのはなぜでしょうか。 小中学校の国語の中では、漢字の学習が「書写」と「コミュニケーション手段」に分裂しているところがあります。書写の学習では丁寧に書くという点から「とめ・はね・はらい」が重視されますが、書写以外では、指針の通り、他の字との区別がつくならば、「とめ・はね・はらい」を気にしすぎる必要はありません。しかし、ほとん
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