前回まで、ブランドを有形無形の「コミュニティプラットフォーム」の形成として捉え、その場のアクションを通じて顧客やファンとともに価値を生み出す今日的なアプローチを、「動詞のブランディング」として説明してきました。目に見えないターゲットではなく、顔の見える個人やコミュニティと直接つながること。これは、従来のマーケティングの常識や枠組みを変えていくことでもあります。 昨今、世界的にデジタルマーケティングの手法が重視されていますが、これも単なる広告テクノロジーやメディアの視点ではなく、「顧客や生活者と直接向き合い、価値を共に生み出す」という、中長期的なビジネスとマーケティング戦略のシフトとして捉えるべきです。 例えば今日、革新的な価値を生み出しているリーディングブランドといえば、どんなものが思い浮かぶでしょうか。その多くが、ダイレクトサービスや製造小売業、あるいは製品自体のプラットフォーム化などで