世界各国でEコマース(EC)市場が勢いを増す中、独自の発展を見せている中国。「EC大国」ともいえる中国の現状はどうなっているのか。また、これからどういった動きが出てくるのか。北京電通 デジタルビジネス部 中国全国統括マネージャーの西田真樹氏に聞いた。 特有のネット文化の中で岐路に立つEC市場 ──中国のEC市場は拡大しているのでしょうか。 西田:中国におけるインターネットユーザーは、2015年12月現在で6.88億人を超え、中国全体のネット普及率も50.3%となっています。これらのネットユーザーのうち、ECの利用経験がある人は6割。ユーザーにとってECが身近なものになっていることが分かります。 また、2015年はモバイルやタブレットといった端末によるEC取引が49.2%を占めており、この分野でも急速なマルチスクリーン化が進んでいます。 EC取引額のスケールも非常に大きいものとなっています。