ある日、成田国際空港でのこと。フライトまで3時間ほどあったので、ビールを飲みながら、ゆっくり本を読むことにした。土産物屋で氷のように冷えた「スーパードライ」を手に取ってレジに持って行き、私より10歳ほど年下の若いレジ係の店員にあいさつをした。すると、彼女は1本の指を出し、数字の1を表した。変だな、と心の中で思った。私は日本語で、「はい、1本だけください」と答えた。 次に彼女はもっと指を出して、値段を伝えようとしているようだった。失礼のないように再度日本語で、彼女が指で何を伝えようとしているのか理解できないが、普通に話してもらって構わないと伝えた。すると、彼女は返答する代わりに、数字を紙に書いた。そうこうしているうちに、このジェスチャーゲームが面倒だと感じ、彼女が言った数字を日本語で読み返して「大丈夫です」と伝えた。 眼前に紙切れを突き出され… 次に彼女はカウンターの下から新しい紙を取り出し
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