【北京=坂尻顕吾】パリで落札された清朝の離宮「円明園」の略奪ブロンズ像2点について、中国国営新華社通信は2日、落札者が中国人だったと速報(英語版)で伝えた。AFP通信などによると、落札者は2日、「(落札はしたが)中国からの略奪品にカネを払うつもりはない」との声明を出した。 この問題をめぐっては、中国政府が競売会社クリスティーズへの非難声明を発表するなど、国内で即時返還を求める声が高まっていた。落札者の氏名や所在などは明らかにされていない。 ブロンズ像は先月25日、クリスティーズがパリで開いたオークションで出品され、計2800万ユーロ(約34億円)で落札されたが、落札者は明かされていなかった。中国国家文物局は「円明園の文化財競売を強行した」などと反発、ネット上でもフランスなどへの非難が高まっていた。