ラッセルコーチングカレッジを起業した中原阿里さんは、波乱万丈な半生を歩んできた。25歳にして寿退社の夢を実現するが、嫁ぎ先での同居に精神を追い詰められ、台風の日に着の身着のまま家を飛び出した――。 【写真】25歳、中原阿里さんの秘書時代 ■命じられたことができないとランドセルが飛んできた 郷里は島根県出雲市。田畑が広がるのどかな町で育ち、遠足では出雲大社が恒例だった。 「物心つく頃から神さまを身近に感じていました。毎晩寝る前に『世界中の人が幸せでありますように』と祈るのが習慣でしたね」 にこやかに振り返る中原さん。その笑顔とは裏腹に、少女時代の記憶は重く心に残る。 厳格な家庭に育ち、親に厳しく躾けられた。決められたことができないと叱責され、ランドセルや物を投げ付けられる。門限に遅れると家から締め出され、土下座して詫びるしかない。いかにダメな人間かということを毎日のように言われ、ほめられた記