「なあ君、ファミレスを享受せよ。 月は満ちに満ちているし ドリンクバーだってあるんだ。」 これは、今回ご紹介するアドベンチャーゲーム、『ファミレスを享受せよ』のストアページに記載されている説明文です。 その独特な説明文にも目を引かれますが、本作の概要を聞いた時に何よりも気になったのが、『ファミレスを享受せよ』というタイトル。これは、私のこれまでのそれなりの長さの人生の中で初めて聞く、違和感の強い日本語です。 私が感じ取った、「ファミレスを享受せよ」という文章の中にある違和感は、ファミレスという軽い言葉と、それに相反する堅苦しさを持つ享受という言葉の組み合わせによって生み出されたものであり、その文末に “せよ” という命令形が連なることで、この違和感が更に増幅されているように思います。 ただ、一口に違和感と言っても、「ファミレスを享受せよ」が持つ違和感は不快感に由来するものではなく、ある種の
![ファミレスに滞在している客と、信じがたい量の“雑談”を繰り広げる『ファミレスを享受せよ』は上質な短編小説のような良作アドベンチャーゲームだった](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0d34b176c2b6c2537d0ebcc988c179706da49252/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg-denfaminicogamer.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F08%2Fimage8-8.jpg)